第9話 ノワルのスキルと野宿開始

それに、結界の範囲外に弾き出されれば、おそらくモンスターの餌食だし、単純に身体能力が違いすぎるため、返り討ちに合うだけである。

そもそも奴隷には出来ない事である。

『ここまで遠くでモンスターを見たり声を聞いたりしたくらいで、直接遭遇はしてないのも運が良いな。』

ここまで、一度もモンスターに遭遇していない。森の手前でこれは珍しい事だろう。

『そうね』

(私が"威圧"を使ってるからな。サーベルジャガークラスに対してはむしろ挑発になる様に調整して。楽しみだな。)

そんな事を考えているノワルは素知らぬ顔で続ける。

『そろそろ私の能力も教えておく。』

彼女は空間庫から紙を取り出して書いていった。

『これよ。』

と渡された紙を見ると

『位階4

レベル80

種族 刀鬼種 

クラス 刀使い 闇魔法使い、

?なる?、?の王、

スキル 威圧、闇魔法、空間庫、刀術、魔力操作』

クラスのこれは一体…

『この?の部分は私もよくわからない。ただ、タカシと契約してからこの王の部分が見える様になった。あと私は魔人種の鬼族だ。』

“魔人”は魔力が特に高い種族であり、その中の鬼族中でも身体能力が高い。

基本的にツノが生えているが、ノワルには無い。

『鬼族なのに、ツノが無いのか?』

まさか、折られたのか?なんて心配をしていると

『ツノか?私たち刀鬼は普段は出ていない。種によって違うがツノが出ていると言う事は、本気である事だ。それだけ覚えてくれれば構わない。』

『そうなのか。知らなかった。でも、普段から生えてる鬼族もいるけどあれは?』

街で見かける鬼族はツノが生えているので、どう言うことだろうか。

『あれは位階が低いからだな。力の制御をするためだな。ツノは力を制御する補助ができる。』

とノワルは自分の頭の辺りを指差しながら言った。

『なるほど。補助か。』

ノワルの魔力量はかなりのものらしいので、それを制御する必要があると。

『魔力は量も大切だが、それ以上に制御するのも技術も大切だ。いくらたくさん持っていても、使える量が少なかったり、使い方が下手なら宝の持ち腐れだ。』

『なるほどな…そういえば、この結界もノワルの魔法だろ?今更だが、どんな効果なんだ?』

(さっき外から見た様子から、防音・遮光・防臭・擬態辺りだろうか…)

予想を立てつつ聞いたところ


『防音、防臭、遮光、防護、擬態、魔力遮断、闘気遮断だな。これくらいしないと夜の野宿は危険だ。なに。こういった事は得意よ。一晩くらいならもつわね。』

あっさりと言っているが付与効果の数に比例して、魔力消費量と制御難易度は上がっていくのだから、すごい。

『嘘だろ…そんなに沢山の付与効果を一晩保たせるのか…すごいな。』

『そう言う事だから、2つ作っておいたからもう寝るとしよう。』

明日もまだまだ歩く為、今日は早く寝る事にした。

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