エッセンス・エッセイ「vol.7 人外的【魔法少/女】きらな」

「人外的【魔法少/女】きらな」

https://kakuyomu.jp/works/16816452219466771684


 初の魔法少女ものです。

 今作以降、『魔法少女』を題材にした作品をいくつか書くことになりますが、今作が最初の作品であるため、まあ、オーソドックスな内容かと思います。

 化物が出現し、ピンチに陥った少女がステッキを手に取り、魔法少女へ変身――

 そして窮地を脱する……と。


 そしてそこから始まる、魔法少女の役目が、主人公を殺伐の世界へ引き込んでしまう……


 今作では、握るのはステッキではなくナイフですが。


 魔法少女を題材にしていますが、『ブラック』な方向へ舵を切っています。

 低年齢向けのキラキラした魔法少女のイメージよりは、絶望へ向かっていく系の魔法少女をイメージしました。


 ブラックな魔法少女と言えば、いくつか思い浮かぶ有名な商業作品があるのでは?


 個人的に、魔法少女と言えば『絶望系』……と直結するくらいには、そのイメージが強くなってしまっていますね。最初に見た魔法少女作品が『あれ』だったせいですね……。



 ともかく、題材は当然ながら「魔法少女」で、


 テーマは「友達」です。


 主人公・きらなの前に現れた少女・れいれ。

 同性ながらも一目惚れだったきらなは、れいれと友達になるため、猛アプローチをするものの、他人に心を開かないれいれは、きらなのことを嫌う態度を見せ続け……

 それでも諦めないきらなは、だからこそ魔法少女の殺伐とした世界に巻き込まれてしまった――


 最近の作品ではあまりしないのですが、始まりからちゃんと書いていますね。


 時間を少し進めたところから始めて、後々に巻き戻して辻褄を合わせていく形をよく使うのですが、今作を書いていた当時は、素直に順番通りに書いていたみたいです。


(たとえば、昼間から始まり→朝の出来事→夜の出来事と時系列をいじると、推理もので言うところの『死体が転がった場面』から始められますが、今作は朝→昼→夜と書いていますので、夜に物語が大きく動き出すまでに、かなりの時間(文字)を使いました)


 それが悪い、というわけではないのですが、きちんと書いているためか、物語が動き出すのがとても遅い……。

 そこそこの文字数を使って(カクヨムだと15話分です)、危機的状況にも陥らないという……一切の『フック』がない状態で書いてしまっていました。


 きらなとれいれの関係性だけで引っ張れるのならいいですけど……いけるか?


 一応、『どうしてれいれはきらなの好意を受け入れないの?』という謎は残してあるので、そこをフックとすれば、ついてきてくれる人もいるのかなー、とは期待してしまいますが。



 ……殺伐とした世界に巻き込まれ、まともな学生生活を送れなくなったきらなですけど、彼女は後悔していません。なぜならそれで繋がれた友達がいたから――


 どんなにきつい環境でも、好きな友達がいれば意外となんとか過ごせたりしますからね。

 学校のクラス(教室)なり、職場なり。


 あの人がいるから登校(出勤)しているという人も多いのでは?


 不満を言うのは人ですし、作るのも人ですが、


 不満に勝るのもまた、人ってことです。



 次回は本格的な群像劇になります。


 キャラ数が一気に増えて、しかも時系列もバラバラという……

 初期作の中では、今ほどに、かなり実験的と言えるかもしれません。

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