第3話 金平糖

やけに神秘的な夜。

人間の残骸は残っていない。


「来てくれたんだね」


微笑む君はどこか怪物に見えた。

フェンスが軋んで、錆びた鉄がザラザラと崩れていく。


「食べる?」


そう言って、『虚無』を差し出す。


「要らないよ」


君の命以外はね。

その瞬間君が、翔んだ。


君は、翼を望んでいたんだっけ。


金平糖が一つ、増えた。

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