OneRepublic - Sunshine

 今日(5/18)は各所で真夏日を越える殺人的な酷暑でしたね……。5月半ばだというのに、何なんですかこの暑さは。身体中から汗が噴き出してそのまま液状化するのではないかというほどの暑さが訪れたことで僕の脳内処理速度は格段に低下しており、最近更新ペースが如実に落ちています。申し訳ない……。


 ここはひとつ、茹だるような暑さをも吹き飛ばすような気持ちの良いアップテンポな音楽で、気分転換と洒落込みましょう。今回は、アメリカ・コロラド州発の大人気ポップ・ロックバンド──OneRepublicから『Sunshine』を紹介して行きたいと思います!


 OneRepublicは、僕がアメリカン・ミュージックの世界へと突入する契機となった、敬愛してやまない2002年結成のバンドです。初期はお馴染みMyspaceと呼ばれるSNS上で活動の場を広げ、当時契約していたレコードレーベルに解雇された直後にリリースされた2007年のデビュー・アルバム『Dreaming Out Loud』は、特に同国のミュージシャンであるTimbalandのリミックスでも話題となったアルバムのリード・シングル『Apologize』が各国のチャートで1位を独占して、グラミー賞にもノミネートされるなど、彗星の如く現れた稀代のバンドの名を瞬く間に世に広めました!


 そんなOneRepublicの特徴はなんと言っても、音楽性の幅広さではないでしょうか。先述の『Apologize』しかり、2009年の2ndアルバム『Waking Up』に収録されたロマンチックなウエディング・ソング『All This Time』など、情緒的でしっとりとした曲調の音楽もあれば、一方で2013年の3rdアルバム『Native』における『Love Runs Out』や『If I Lose Myself』など、感情的でがっつりとノれる曲調のものもある。その時々の気分やシーンに合わせて色々な曲が楽しめるので、何を聴こうかと困った時はOneRepublic──そう言っても過言ではありません(僕にとっては)。


 ──では、OneRepublicのバラエティーに富んだ音楽性を実現させている要素とは、一体何なのだろうか……?


 21世紀におけるポップ・ミュージック界の影なる王──Ryan Tedderは、OneRepublicのリードボーカリストとしてだけではなく、Adeleの『21』『25』やTaylor Swiftの『1989』でグラミー賞受賞経験も多数あるなど、ライターとしても類まれなる才能の持ち主で、これまでに紹介してきたMaroon5, U2, Ellie Gouldingなどなど、多岐にわたるアーティストへの楽曲提供で信じられない成功を収めてきました。実際にRyanはバンドの音楽性について、音楽ジャンルには一切囚われないというスタンスを明らかにしていて、ロック、ポップ、インディー、ヒップホップなど、良い曲や良いアーティストであれば、おそらく何らかの形で影響を受けているはずだと明言しています。


 彼は幼少期の頃から、我らが日本のヴァイオリニスト・鈴木鎮一によって創始され、公益社団法人才能教育研究会が普及促進している音楽教育法・"Suzuki method"を受けて育ち、3歳の頃からピアノを習い、18歳になるまで毎日2時間欠かさず独学で歌を練習していたというストイックな青年期を過ごしてきました。オクラホマ州で生まれ育った彼の半生が歌詞に色濃く反映されている(と僕は受け取っている)楽曲『Connection』に、OneRepublicという存在を象徴する超有名曲であり僕のカラオケの十八番『Counting Stars』など、何を紹介しようか迷いに迷いましたが、今回は2021年のアニメーション映画『Clifford the Big Red Dog』の主題歌としても採用された『Sunshine』で行かせてください!


 映画と言えばもう1つ、日本でも大きな話題を呼んだ作品『Top Gun: Maverick』のサウンドトラックの中にも、OneRepublicの『I Ain't Worried』が収録されていました。劇中歌の影響で人気再燃に拍車が掛かっている中で、今年3月には東京で来日公演があったようですね。──うーん、行きたかった……! 予定が合わず、痛恨の極みです。


 大好きなバンド故、またしても前口上が長くなってしまいました。それでは行きましょう。その題の通り、影から差し込む太陽を思わせる明るく爽やかなポップソングをお楽しみあれ。


[Chorus(0:00~)]

「この奇妙な人生を駆け抜けよう」

「青信号を突っ切って」

「日の光を遮るものは捨て去ってさ」

「良い感じのバイブスで満足させてくれ」

「携帯に保存した写真は」

「何もかもが最高だって証明してる」

「ちょっと日が差し込んでさ」


[Verse1(0:13~)]

「最近自分でもおかしいって気付いてる」

「自分自身に説教したいくらいに」

「君は単に口を挟もうとするだけだし、人生はフェアじゃないよね」

「トンネルのように狭くなった視野をどうにかしようとはしてるんだ」

「新しい処方箋を手に入れようとね」

「思い切り良くやってみた結果として失敗しても僕は気にしないんだ」


[Pre-Chorus(0:27~)]

「もう少しだけ踊っていよう」

「もう少しだけ深呼吸しよう」

「偶には肩の力も抜きつつね」

「人生は"woo-hoo!"だから」

「もう少しお金を稼いだら」

「その分だけ浪費したって良い」

「そしたら少し笑顔になれるし、それが癖になってるんだ」


[Chorus(0:40~)]

繰り返し


[Post-Chorus(0:58~)]

「差し込む太陽」

「穏やかな日光」


 ご機嫌な夏メロですねー。サビの一節に"woo-hoo!"ってありますけど、こんなの以前紹介したBlurの『Song 2』しか思い浮かびません。意図的なオマージュか、はたまたただの偶然か。


 おそらく、歌詞の主人公は、今の人生を謳歌している遊び人ですね。立ち止まることを知らず、邪魔するものは全て取っ払って日の当たる場所へと突き進むクレイジーピーポー──所謂陽キャです(笑)。歌詞中でも自分がおかしい(世間の一般的な感性とは少しずれてる)ということや視野の狭さを自覚している口振りですし、多少の失敗はI don't careの精神で楽しそうです。


[Verse2(1:08~)]

「明日も明後日も、我儘放題だ」

「無力感を覚えるよ」

「自撮り写真はもう見飽きてるし」

「今は気にしやしないけど」

「新たな使命を見つけたと思うんだ」

「そうやってモチベーションを保つ」

「じっとしてるのは性に合わないから」

「どこかに向かうんだ」


[Pre-Chorus(1:21~)]

繰り返し


[Chorus(1:34~)]

繰り返し


[Bridge(2:02~)]

「この気持ちを他にどう説明して良いか分からない」

「変化に追いつこうとするあまり立ち止まれなくなっちゃったんだ」

「名前と番号を出勤時に打刻して」

「今や杖を突いたマイケル・ジャクソンみたいな歩き方」

「基本的に人生ってのは同じことの繰り返しだよ」

「君がそれを望まない限りはね」

「本当なら声高に叫ぶ方が良いんだろうけど」

「そんなことはしないよ」

「お金を貯めてるからね」

「ビジネスにおいてはそれが肝要なんだ」


[Chorus(2:16~)]

繰り返し


[Pre-Chorus(2:30~)]

繰り返し


 2番はやりたい放題の主人公が現状に飽き飽きして、無力感を覚えるところからスタートします。しかし、常に何か自分にとっての新たな使命を見出して、生きる気力を保っている。──人間、誰しもがそんな感じですよね。


 現状から脱却することを望まない限り、毎日同じ時間に通勤・通学しているうちに、気付いた時にはマイケル・ジャクソンの有名な前傾ポーズのような姿勢で歩く老人になっているかもしれない。──あれ、ノリノリの音楽で最高の気分だったのに、後味が悪い……。


 これ以上悲しい思いをしたくないので、今日はこの辺で終わりにしておきましょう。そもそも、太陽をテーマにした楽曲を真夜中に聴きながら本稿を執筆している僕は何なのでしょう(笑)。完全に時間を間違えました。次回予告に移りましょうか。


 次回もまた、僕の大好きな明るく楽しいミュージックをお届けしたいと思います。ヒントは同国出身のダンス・ロックバンドで、アルファベット4文字──お楽しみに!


 それでは……!



 †††



 ※本作における改行後の連続する「」内は主に作品タイトルとなっている楽曲の歌詞の一部分又はその翻訳です。今回はOneRepublic - Sunshineから引用しております。


 ※本作品は、著作権法32条1項に依拠して公正な慣行のもと批評に必要な範囲で「引用」するという形で楽曲の歌詞を一部和訳しております。文化庁は引用における注意事項として、他人の著作物を引用する必然性があること、かぎ括弧をつけるなどして自分の著作物と引用部分とが区別されていること、自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、出所の明示がなされていることの4要件を提示しておりますが、本作品はいずれの要件も充足していると執筆者は考えております。


 ※カクヨム運営様からも「カクヨム上で他者が権利を有する創作物の引用をすることは可能ですが、その場合は、著作権の引用の要件に従って行ってください。また、外国語の翻訳は書き方にもよりますが、引用にならないと存じます。」という旨の回答によってお墨付きを得たものと解釈しております。


 ※ただし、歌詞原文の全てを掲載することは引用の範疇を越えると思われますので、読者の皆様は紹介する楽曲の歌詞をお手元の端末などで表示しながら、執筆者による独自の解釈を楽しんでいただけると幸いです。

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