【番外編】邦楽好きとも繋がりたい - 4

 そういえば、前回お礼を言いそびれてしまいました。音楽ファンの方も、そうでない方も、本作を見てくださっている全ての皆様に支えられて、遂にPV数を4桁の大台に乗せることができました。僕の好きな音楽を語り、誰かに良さを伝えることができるチャンスが千回もあったかと思うと、感慨深いです。願わくば、そのうちの百回、いや十回でも構いません。布教活動が成功して、誰かの新たな音楽の扉を開くことができていたら嬉しいですね……! 


 でも実際に、本作を通じて楽曲製作の裏側、歌詞に込められた意味、アーティスト同士の関係性について、より深く知る事ができたといったコメントを頂くことも多く、レビュー(星)を頂くよりも喜びながら全てに返信させて頂いております。迷惑でしたらすみません(笑)。


 当然レビュー(星)も嬉しいのですが、そもそもカクヨムはレビューという機能に必要以上の意味を持たせて作品の評価の主軸として、各エピソード毎にコメントをつけることができる機能を蔑ろにし過ぎている結果、応援機能のありがたみが相対的に希薄化していると思うのですが……。


 ──おっと、口が滑りました。本作は音楽の素晴らしさのみを純度100%でお届けしたいという僕の想いをぶつけるものであって、長々と愚痴を垂れる場ではありませんでした。数少ない読者の方々を失わないためにも、雑談はそこそこに本日のラインナップへと参りましょう!


1.折坂雄太

2.日食なつこ

3.椎名林檎


 今回のコンセプトは歌唱力抜群のシンガーソングライター3選ということで、早速見て行きましょうか。


 一人目に挙げさせて頂いたのは、鳥取県出身の男性シンガー・折坂雄太でございます。父親の仕事の都合で幼少期をロシアで過ごした経験を持つ彼は、小学生から高校生までの間、不登校を繰り返してフリースクールに通っていました。その頃出会った仲間たちとバンドを結成したことを契機として、初めて音楽の世界の門を叩いたのだとか。


 ただでさえにわか知識に定評のある僕は、邦楽に関することとなると本当に知らないことばかりなので申し訳ありませんが、僕が彼について知っていることは、優しく染み渡るような声色から繰り出される最高の歌唱力を持ったイケメンであるということだけです。事実、業界人の間でも彼の歌唱力の高さは評判で、宇多田ヒカルをはじめとする有名アーティストたちの太鼓判を受けています。


 そんな彼の楽曲から僕が今日の気分でおすすめするのは、2018年の人気アルバム『平成』から『坂道』『さびしさ』です。是非、ご鑑賞ください。


 続く二人目に挙げさせて頂いたのは、岩手県出身のピアノ弾き語りが特徴の女性シンガー・日食なつこです。


 多種多様な楽器の組み合わせによって強烈な印象を残す「バンド」形態の音楽への対抗心から、9歳の頃から始めたピアノひとつでリフや旋律を表現するといった独自のプレイスタイルを確立して、バンドに出来ない音楽をピアノに詰め込んだのだと、本人は語っています。ストリングス、ベース、ギターといった色々な楽器の演奏をピアノのみで代用しているという訳ですね!


 本人談によれば、もともとバンドというものが性格的に自身のスタイルと合わないらしく「だったら全部自分で表現してしまえば良いんだ!」という発想に至るのが、表現者として本当に素晴らしい方だなと感服致します。小説に例えれば、ホラー・ミステリーを描く傍らで恋愛要素のあるコメディーにも触手を伸ばしつつ、SF的なファンタジーにも精通しているといったところでしょうか。──ちょっと違うかな。でも、それくらい凄い事だと個人的には思います。


 2017年には、音楽ストリーミングサービス・SpotifyのSpotify Sessionなるものに日本人アーティストとして初めて抜擢され、ライブ音源が世界配信されたこともあるとか。まぁ、彼女の挑戦は世界的に見ても珍しい稀有な存在なので、驚くべきことではないかもしれませんね……!


 そんな彼女の楽曲から僕が今日の気分でおすすめするのは、同年のアルバム『逆鱗マニア』から『ログマロープ』です。迫力抜群のピアノと同時に、独特のリズムに乗せて早口で歌われる歌詞を聴くと、毎回「何故噛まないんだ」と思ってしまいます。まぁ、噛んだらレコーディングをやり直すはずですから当然と言えばその通りですけど、ライブなどであればそうもいきません。そもそも、ピアノを弾きながら歌詞を口ずさむ所謂弾き語りは相当な技術を要するというのは素人の僕にも分かることですが、『ログマロープ』は標準的な滑舌を持っている(と信じている)僕が普通に歌っても時折噛みます。それなのに、彼女はピアノと歌詞の両方に有りっ丈の感情を込めながら表現している。素直に脱帽です。


 最後に挙げさせて頂いたのは、埼玉県出身の超有名女性シンガー・椎名林檎です。2004年からは人気ロックバンド・東京事変のボーカリストとしても活動している彼女について、僕がわざわざ紹介するまでもなく、誰もが知っているアーティストかと思います。ですが、番外編はアーティストの紹介というよりも「いつも洋楽ばかり語っている僕は、邦楽であればこういうのを聞いています」という、誰得の報告を垂れ流すだけの企画ですので、許してくださいね。


 椎名林檎という活動名ですが、高校生の時に自身の作品を初めてJASRACへ著作者登録をする際に、筆名を決める必要に迫られたことで一時的に使用した仮名をそのまま使い続けているのだそう。自身のバンド活動もドラムから始まったということで、The BeatlesのドラマーだったRichard Starkeyの通称・Ringo Starrから文字って、リンゴ=林檎となったのだとか。


 思春期には兄の影響でMarvin GayeをはじめとするソウルやR&Bといったブラック・ミュージックに心酔していて、歳を重ねるごとにLed ZeppelinやThe Beatlesといったロックバンドも聞くようになり、RHCP、RATM、Pearl Jamといったアメリカン・ロックにも理解があるとか(音楽の好みがかなり僕と似通っていて、是非とも一度話をしてみたいと思いました。そのような機会が訪れることはないでしょうが)。クラシックやジャズを好む父と日本の古い歌謡曲を好む母の影響も手伝って、音楽家としてのキャリアをスタートさせた椎名林檎は多岐にわたるジャンルをこなす万能型のボーカリストとして名を馳せました。


 そんな彼女の楽曲から僕が今日の気分でおすすめするのは、2015年のシングル『長く短い祭』です。皐月を迎え、暑く厳しい夏の気配をすぐ傍に感じる季節となってまいりました。皆さんは暑苦しい夏は好きですか、嫌いですか? 長く感じますか、短く感じますか? 僕は自分で言うのもなんですが筋肉量が多いことで代謝が良く汗っかきなので、衣服の背中側の汗染みが気になる夏という季節は色々な事に気を配らなければならず、どちらかというと精神的に疲れるため、少し長く感じます……。でも、この曲を聴いている間は何処か涼し気な気分になれます。清涼感のある彼女の歌声と夏を感じさせる歌詞の内容に思いを馳せながら、何とか今年の夏も乗り切って行きたいと思います!


 無事に第4回目を迎えることができた番外編もこれにて終了です。取り留めのない長話に最後までお付き合いくださり、ありがとうございましたー! 次回は特別編として、ちょっとこれまでの振り返り的な話をできれば良いなと画策しているので、本編が第50回目に到達することができた暁には、是非ともよろしくお願いします!



 †††



 ※本作における改行後の連続する「」内は主に作品タイトルとなっている楽曲の歌詞の一部分又はその翻訳です。今回は何も引用しておりません。


 ※本作品は、著作権法32条1項に依拠して公正な慣行のもと批評に必要な範囲で「引用」するという形で楽曲の歌詞を一部和訳しております。文化庁は引用における注意事項として、他人の著作物を引用する必然性があること、かぎ括弧をつけるなどして自分の著作物と引用部分とが区別されていること、自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、出所の明示がなされていることの4要件を提示しておりますが、本作品はいずれの要件も充足していると執筆者は考えております。


 ※カクヨム運営様からも「カクヨム上で他者が権利を有する創作物の引用をすることは可能ですが、その場合は、著作権の引用の要件に従って行ってください。また、外国語の翻訳は書き方にもよりますが、引用にならないと存じます。」という旨の回答によってお墨付きを得たものと解釈しております。


 ※ただし、歌詞原文の全てを掲載することは引用の範疇を越えると思われますので、読者の皆様は紹介する楽曲の歌詞をお手元の端末などで表示しながら、執筆者による独自の解釈を楽しんでいただけると幸いです。

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