Mura Masa - Messy Love
本日も拙作のページを閲覧して頂くことが出来て嬉しいです! 皆さん、こんにちは。突然ですが、かの有名な妖刀伝説でお馴染みの「村正」をご存じでしょうか? かつて徳川家に災いをもたらすとされた刀の逸話は、歴史に明るい日本人ならば良く知る方も多いのではないでしょうか。
はい、そうです。今日はそんな妖刀「村正」の名を冠したアーティストをご紹介致します。もっとも、当然ですが日本人アーティストではありません。ノルマンディー沖英国海峡に浮かぶ、イギリス王室属領・チャンネル諸島に属するガーンジー島出身の鬼才Mura Masaから『Messy Love』です!
両親・兄弟共にミュージシャンの音楽一家に生まれ英才教育を受けてきたMura Masaは、特にアメリカ人の母の影響によって、幼少期からUSインディーロックやポップ・ミュージックに触れてきました。また、彼の出身地であるガーンジー島は、もともとユーラシア大陸と陸続きであったほどフランスに近く、
15歳からEDMに触れていたMura Masaは、若くしてビートを自作し始めました。音楽共有サービス・Soundcloud上で音源を公開すると、程なくしてメジャー・レーベルの目に留まります。2015年にリリースされた彼のデビューEP『Someday Somewhere』は瞬く間に脚光を浴びました。特に2017年にリリースされたセルフタイトルの1stアルバム『Mura Masa』にて、英米両国におけるSpotify Viralチャートで1位を獲得することとなったA$SP Rockyをフィーチャリングした『Love$ick』の原型『Lovesick』を初めて聴いた時の衝撃は、今も鮮明に覚えています。当時、二十歳そこそこの無名アーティストからこれほどまでにクールなビートが飛び出してくるなんて。──なんて生意気に偉そうなことを言っていますが、僕は彼より年下です……。
そんな彼の音楽性は、生まれ育った特殊な地域と家庭環境から受けた好影響によって独創性抜群! エレクトロ、ポップ、ロック、パンク、R&B、ヒップホップなど多種多様なジャンルの要素を組み合わせた独自のスタイルで、世界中のファンを席巻しております……!
また、Mura Masaはその名前からも分かる通り親日家としても知られていて、幼少期から日本のアニメをはじめとするサブカルチャーに囲まれていたそう。それもそのはず、彼の出身地であるガーンジー島の出身者がかつて明治維新の際に英国使節団の1人として来日したらしく、日本文化に魅了された同郷の使節が日本人大工や庭師などを連れて島内に神社や屋敷を建設したそう。庭木の剪定のため、島民に盆栽を伝授するなどによって受け継がれてきた日本の伝統文化が根付いたガーンジー島においては、未だに盆栽を趣味とする島民も少なくないとか。──遠く離れたイギリスの島と我らが日本に、そのような所縁があったとは驚きですね。これもまたMura Masaが居なければ知ろうともしなかったことですから、音楽の力はやはり偉大です!
そろそろ本題に入りましょうか。今回の題材である『Messy Love』は彼の名声を世に轟かせる契機となったデビューアルバム『Mura Masa』の1曲目。原点にして頂点です。毎度の如く、歌詞の可食部分は控えめですが、皆様もテーマとなる楽曲をご自身で再生してMura Masaの作り出す独特の世界観に浸かりながら和訳をご覧になって頂けると、より一層音楽の味わい深さを感じられると思います!
[Chorus(0:27~)]
「僕を連れて行って、壊してくれ」
「君の滅茶苦茶な愛の形に僕を押し込めてよ」
「僕を奪って、ぶん殴ってくれ」
「その滅茶苦茶な愛のために僕を使って良いよ」
「僕を縛り付けて、壊してくれ」
「君の複雑な愛のためならモノのように僕を消費すれば良い」
「僕を奪って、ぶん殴ってくれ」
「その滅茶苦茶な愛のために僕を使って良いよ」
[Verse1(1:19~)]
「そう、僕はいつだってフルスイングさ」
「骨の髄まで深い信念を持ってるんだ」
「君に試されるような真似は嫌だったんだ」
「でも結局君は僕を見てくれないんだね」
「僕らは結ばれるべきだと思わないか?」
「共に神々へ祈りの言葉を捧げよう」
「不老不死にはなり得ないというなら」
「君の欲するものを教えておくれよ」
[Chorus(1:55~)]
繰り返し
[Hook(2:12~)]
「遅かれ早かれ、君は僕のものだ」
何処か儚げで狂気をも感じさせるような独特なメロディーと歌詞の印象そのまま、その意味する内容は猟奇的な愛の形といったところですかね……。歌詞のサビ部分のみを見れば、狂っているのは主人公に愛を向ける相手のような気もするのですが、中盤のパートを見ると相手の方は主人公に対してあまり関心がなく、主人公の愛から逃れようとしているような……? 狂気的な愛の持ち主は、一体どちらなのでしょうか……。
そんなこんなで、今回も短いですが以上になります。お付き合い頂き、ありがとうございました!
ダンス・ポップにダンス・ロック、エレクトロ、ヒップホップなど、数々の寄り道を経てパリピ気分を存分に味わったということで、そろそろロック・ミュージックの世界に帰還することにしましょう! 次回は僕も大好きなあのUSロックバンドから、名曲中の名曲をピックアップしてまいりますので、お楽しみに……!
それでは……!
†††
※本作における改行後の連続する「」内は主に作品タイトルとなっている楽曲の歌詞の一部分又はその翻訳です。今回はMura Masa - Messy Loveから引用しております。
※本作品は、著作権法32条1項に依拠して公正な慣行のもと批評に必要な範囲で「引用」するという形で楽曲の歌詞を一部和訳しております。文化庁は引用における注意事項として、他人の著作物を引用する必然性があること、かぎ括弧をつけるなどして自分の著作物と引用部分とが区別されていること、自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、出所の明示がなされていることの4要件を提示しておりますが、本作品はいずれの要件も充足していると執筆者は考えております。
※カクヨム運営様からも「カクヨム上で他者が権利を有する創作物の引用をすることは可能ですが、その場合は、著作権の引用の要件に従って行ってください。また、外国語の翻訳は書き方にもよりますが、引用にならないと存じます。」という旨の回答によってお墨付きを得たものと解釈しております。
※ただし、歌詞原文の全てを掲載することは引用の範疇を越えると思われますので、読者の皆様は紹介する楽曲の歌詞をお手元の端末などで表示しながら、執筆者による独自の解釈を楽しんでいただけると幸いです。
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