Timeflies - All The Way

 読者の皆さんによる温かい応援とPVに支えられ、本作も第30回目の節目を迎えることができました。平素より、ご愛顧いただきありがとうございます!


 今回紹介するのは、アメリカ・マサチューセッツ州発のポップ・ラップデュオ、Timefliesから『All The Way』です! 一度聴けば、たちまち元気が湧いてくる最高の1曲ですよ……!


 2010年に結成されたTimefliesの歩みは、米・タフツ大学在籍中にCal ShapiroとRob Resnickが作詞家・Matt Merrittと共にThe Ride名義で活動を開始させたことに始まりました。以来、オンライン上で着実に集客を成功させて行き、2017年時点で15万枚以上のアルバムと80万枚以上のシングルを売り上げ、世界中で1億7500万回のMV再生とSpotifyにおける2億6100万回の再生数を記録しているそうです──最新のデータはどうしても見つかりませんでしたが、おそらく以降も着々と売上を伸ばしていることでしょう……!


 そんな彼らの存在を知る多くのファンは、YouTube上でリミックスをリリースしたり、ライヴのカバーをパフォーマンスしたり、オリジナルのビートをフリースタイルでプレイするといった"Timeflies Tuesday"という伝統をきっかけとして彼らの魅力に惹かれていきました。2011年にインディーズでブレイクした『The Scotch Tape』は、リリース後24時間でiTunes総合チャートで8位、iTunesポップチャートで2位まで上昇しました(命名はCalがスコッチ好きだから)。続く2014年にリリースした初のメジャーレーベル作品『After Hours』は、米・Billboard Top 200にて8位、iTunes Top Pop Albumsチャートで1位を獲得しました! そして『After Hours』に収録された大ヒットナンバー『All the Way』は、Billboardのトップデジタルソング・チャートで2位に急上昇するまでに至りました……! その実力は、米・Vanity Fair誌に"musical masterminds(音楽界の盟主)"と称されるほどだとか。


 Timefliesは、先日ご紹介したBastilleの名曲『Pompeii』の秀逸なカバーでも知られています。ヒップホップ、ラップ、ポップ、エレクトロ、R&Bなどといった多岐にわたる音楽ジャンルの要素を取り入れた、明るく透明感のあるメロディーに魂の籠ったボーカルが貴方の心を揺さぶること間違いなし。そんな彼らの代表曲『All The Way』の和訳をどうぞお楽しみください!


[Verse1(0:08~)]

「初めて君を見たとき、すぐに確信したんだ」

「いつの日か君を僕のものにするって」

「君が必要なんだよ、だから逃げないで」

「だって1日の終わりには、きっと良い気分で居られるから」


[Pre-Chorus(1:24~)]

「僕はまだ君が心変わりしてくれるって祈り続けてるんだ」

「僕は大丈夫」

「君はいつかきっと振り向いてくれるはずだから」


[Chorus(0:36~)]

「誰かを愛すとき、僕はどこまでも一途さ」

「君をどこまでも連れて行くよ」


 歌詞自体はとてもシンプルなので、1番のサビまで一挙に訳しました。凄く直情的で、飾り気のない純粋なラブソングであるという一方で、曲名でもある"All The Way"に「一途に」と「どこまでも」という2つの意味を持たせているところが深いです……! 何だか最近うまく行かないなーと感じるとき、どこまでも素直で明るいポジティブな気持ちの良い性格が表れた歌詞の主人公を思い浮かべながらこの曲を聴くと、嫌な気分が吹っ飛びます! 


 でも、歌詞には主人公1人だけが登場して、彼の求愛している相手が出てこないんですよね。もしかしたら相手は嫌がっているんじゃないかとか、これは主人公の妄想の世界の話なのではないかとか、色々と勘繰ってしまいますけれども、これだけ明るい曲調のポップソングにそんな闇要素はないと思われます。


 下種の勘繰りついでにもう1つ邪推をすると、"All The Way"には他にも性行為を意味するスラングとしての意味があるそうです。「一途に」愛するのは勿論のこと、歌詞に登場する「君」といつかそう言う関係になりたいという主人公の感情の表れだったりするんでしょうか。──アメリカンソングとはいえ、多分ないですよね。すみませんでした。次行きます……。


[Verse2(1:08~)]

「君が奥手なのは知ってるけど仕方ないんだ」

「だって君が孤独に歩むのを見ていたくないから」

「怖がらないで、君は独りじゃない」

「君とならなんだってうまく行くさ」


 はい、曲は既出のフレーズを繰り返していくので、歌詞和訳は以上になります! 今回もお付き合い頂きありがとうございます。お疲れさまでしたー!


 ちょっと短かったですが、如何でしたか? 思わず踊り出してしまうような曲調に主人公の真っ直ぐな気持ちが綴られた歌詞に、気分は上々といったところではないでしょうか……! もっとも、僕の見立てが間違っていなければ今のところ読者様方の傾向としてダンス・ミュージックやEDMなどの系統は好まれていないということは知っています。でも、素晴らしき音楽の全てのジャンルの良さを余すところなく紹介したいという執筆者の我儘を押し通して、今後も多岐にわたるジャンルの楽曲を次々と取り上げていく予定ですので、ご容赦ください。あ、でもリクエスト等ありましたら、いつでもお申し付けくださいね……!


 次回は10の倍数記念の邦楽紹介です。よろしければ、僕の浅い知識によって繰り出される適当な紹介と共に、最近個人的にハマっている邦楽アーティスト3選を見てやってくださいね。


 それでは……!



 †††



 ※本作における改行後の連続する「」内は主に作品タイトルとなっている楽曲の歌詞の一部分又はその翻訳です。今回はTimeflies - All The Wayから引用しております。


 ※本作品は、著作権法32条1項に依拠して公正な慣行のもと批評に必要な範囲で「引用」するという形で楽曲の歌詞を一部和訳しております。文化庁は引用における注意事項として、他人の著作物を引用する必然性があること、かぎ括弧をつけるなどして自分の著作物と引用部分とが区別されていること、自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、出所の明示がなされていることの4要件を提示しておりますが、本作品はいずれの要件も充足していると執筆者は考えております。


 ※カクヨム運営様からも「カクヨム上で他者が権利を有する創作物の引用をすることは可能ですが、その場合は、著作権の引用の要件に従って行ってください。また、外国語の翻訳は書き方にもよりますが、引用にならないと存じます。」という旨の回答によってお墨付きを得たものと解釈しております。


 ※ただし、歌詞原文の全てを掲載することは引用の範疇を越えると思われますので、読者の皆様は紹介する楽曲の歌詞をお手元の端末などで表示しながら、執筆者による独自の解釈を楽しんでいただけると幸いです。

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