Swedish House Mafia - Save The World
皆さんお待たせしました。記念すべき第10作目となる今回は、Axwell, Steve Angello, Sebastian Ingrossoのトリオで構成されるスウェーデンのハウス/EDMユニット・Swedish House Mafiaです。2013年に一度解散を経験したユニットですが、2018年に再結成を果たして以降は活動を継続しています。
メンバー全員がそれぞれ著名なDJであるという彼らですが、Swedish House Mafia名義で正式に活動を開始したのは2009年に遡ります。そして、その翌年にリリースされた3人のコンピレーション・アルバム『Until One』がイギリスでゴールドディスク認定を受けたことを契機として一躍有名となり、活躍の場をヨーロッパ全土に広げます。
2012年には前作以上のヒットを記録した2ndアルバム『Until Now』をリリース──イギリスで二度目のゴールドディスク獲得を果たし、アルバムのラスト曲として収録されたシングル『Save The World』は、ロシア出身の大人気DJ・Zeddをはじめとする多くのアーティストにリミックスされ、他国の音楽ファンにも多大なる影響を与えました。
そんなSwedish House Mafiaは、オーストラリア発のEMバンド──Pendulumの関連ユニット・Knife Partyと『Antidote』という楽曲を共作しており、MVには日本語や日本人がちらほら映るなど、我が国とも馴染み深い(?)関係です。
紹介した通りSwedish House Mafiaの名が世界に轟くひとつのきっかけとなった『Save The World』を題材に、今日は歌詞を見ていきたいと思います。というのも、彼らはハウス/EDMを専門とする音楽ユニットであるため、彼らの楽曲の多くは同じフレーズの繰り返しであったり、歌詞が短すぎたり、ほとんど歌詞が存在しなかったりするものまでありますので、僕のお気に入りの中で紹介するのに適した題材というと、これくらいしか思いつかなかったんですね……。
でも安心してください。『Save The World』はどんな時に聞いてもテンション最高潮間違いなしの、グラミー賞ノミネート作品です。同郷のシンガーソングライター・John Martinをボーカルに添え、力強くもどこか儚げな印象を与えるインパクト抜群のドロップ部分は、何度聴いても最高です……! ちなみに、John Martinは中学生の頃に自身のバンドを結成して、主にNirvanaの楽曲をカバーしていたそうですよ。凄いですね!
ではでは、いつもの通り歌詞紹介にお付き合い頂きましょう。皆様、お手元に歌詞の原文とイヤホンは準備できましたでしょうか──。
「街中に俺たちは降り立つ」
「眠ることはおろか疲弊するなどあり得ない」
「都会の喧騒や郊外の光の中でも」
「観衆を沸かせるんだ」
「俺たちに後退はない」
「地平線を撃ち落とせ」
「その様子をプライムタイムに眺めるんだ」
「今こそ愛を育もう」
「なあ聞けよ、愛を育むんだ」
「今宵世界を救うのは誰だ?」
「息を吹き返すのは誰なんだ?」
「俺たちがやるんだ、俺とお前でな」
「今宵は俺たちが世界を救うんだ」
迫力満点のドロップの後は、その場に居る全員で縦ノリしながら"Oh, oh, oh"の大合唱です(運転中はどうかお気を付けて)。雑談ですが、僕は先日福島までスノーボードをしに行ったのですが、何度も転ぶもんだから首を痛めてしまいまして、ヘッドバンキングはNGです。ハウスミュージックで頭を振る人はあんまりいないか……。
Swedish House Mafiiaのメンバー・Axwellはインタビューでこの曲の歌詞について「心に響いて元気が湧き上がるような曲で、ナイトショーのトリを締め括る特別な曲が作りたかった」と述べています。まさにその通りで「地平線を撃ち落とせ」「その様子をプライムタイムに眺めるんだ」という9.11アメリカ同時多発テロを連想させるパートがある一方で、そんな今こそ愛を育むために俺たちは観衆を沸かせてやるんだという意気込みにも似た、逞しい印象を与えるような素晴らしい歌詞だと思います。
人間には睡眠時間が必須だし、疲れることも当然あるので、この歌詞はDJプレーヤーやミキサーといった機材がお前たち観衆を盛り上げる、そしてそのために俺たちは街中に住むお前たちの耳元の機械(音楽プレーヤー)に降り立つぞって意味が込められていそうだなと、僕は感じ取りました。直情的で、The・ハウスといった感じの歌詞に、魂が震えます。よし、僕も世界救うぞー!(?)
長くなりましたが、"Oh, oh, oh"の後の歌詞はこんな感じです。
「俺たちは故郷から遠く離れてきた」
「良いことをするために」
「俺たちが夢見ること、それが全てさ」
「道のりは長いけど、手を繋ごう」
──なんだか、今のこの世界にこそ刺さる歌詞だと思いました。コロナウイルスによる猛威や憎悪犯罪の増加、ロシアによるウクライナ侵攻など、複雑多岐にわたる社会問題によって、世界中で連帯感が希薄化してきている昨今を生きる世界中の人々に聴かせたいと思ってしまう、本能に訴えかけてくるようなメッセージ性に富んだ最高の表現ですね。難しい時期ですが、今こそ、手を取り合って困難な局面を乗り越えていきましょう!
この後は既出のフレーズの繰り返しになりますので、これで以上です。お疲れさまでしたー!
いつもの通り余談ですが、Swedish House Mafiaは前回ご紹介したThe Weekndとコラボした楽曲『Moth To A Flame』をリリースしています。何て言ったらいいのか、このコラボはまさに鬼に金棒──平たく言えば、反則ですよね。だって、神曲間違いなしのヒットメーカー同士が力を合わせた共作なのですから。まあ、The Weekndを紹介した昨日の今日で取り上げるのも何か違和感があったので、今回は敢えて触れませんでしたが、気になる方は是非こちらもお聴きになることを強くお勧めします……!
次回も似たようなジャンルのアーティストから一曲ご紹介します。ハウスやEDMのような音楽に興味なんかないぞって方は、どうかもうしばらくお付き合いください。そのうちまた違ったジャンルの音楽を題材に幅広くお届けしていきたいと考えております故……。
──それではまた次回も、よろしくお願いします!
†††
※本作における改行後の連続する「」内は主に作品タイトルとなっている楽曲の歌詞の一部分又はその翻訳です。今回はSwedish House Mafia - Save The Worldから引用しております。
※本作品は、著作権法32条1項に依拠して公正な慣行のもと批評に必要な範囲で「引用」するという形で楽曲の歌詞を一部和訳しております。文化庁は引用における注意事項として、他人の著作物を引用する必然性があること、かぎ括弧をつけるなどして自分の著作物と引用部分とが区別されていること、自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、出所の明示がなされていることの4要件を提示しておりますが、本作品はいずれの要件も充足していると執筆者は考えております。
※カクヨム運営様からも「カクヨム上で他者が権利を有する創作物の引用をすることは可能ですが、その場合は、著作権の引用の要件に従って行ってください。また、外国語の翻訳は書き方にもよりますが、引用にならないと存じます。」という旨の回答によってお墨付きを得たものと解釈しております。
※ただし、歌詞原文の全てを掲載することは引用の範疇を越えると思われますので、読者の皆様は紹介する楽曲の歌詞をお手元の端末などで表示しながら、執筆者による独自の解釈を楽しんでいただけると幸いです。
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