第7話 美しい三年生女子 晴美・麗・慈代
劇団クローバーみつば感での練習が終わった。その日は
帰り際に
恵人君がいるとはいえ、慈代も一緒だし、今日は、なんかリラックスモードに入りそうだから……
「そうなったら、どうなるんですか?」
「ん? ん~まあ、男の子だったら嬉しいかもね……」
なんだかよくわからないが、晴美さんは少し危険な女性らしい。慈代に聞いても「まあ、ちょっとね」とはぐらかされた。
下北沢の居酒屋で食事をした後、コンビニで飲み物やお菓子などを買って慈代のマンションに行く。
途中、晴美のマンションもあり、自分のマンションから飲み物を持ってくると言ってお酒を持って来たようだ。この辺は
麗、晴美、慈代の三人は皆この周辺に住んでいることになる。晴美は実家が横浜の方だと言っていた気がする。
「皆さん下北沢なんですね。すごくいいところに住んでますね」
「恵人君もいいとこじゃない」
「ええ、まあ、でも、皆さん、お嬢様なんですか?」
「
「え? そうなんですか?」
「彼女の家、このすぐ近くにある松宮医院よ」
「え? じゃあ医学部じゃないんですか?」
「兄二人が医学部行ってるの。なぜか私だけ小さい頃から劇団で子役なの」
「晴美さんは?」
「晴美んちは由緒あるお寺よ。お寺のお嬢様よ」
「え? 家がお寺でキリスト教系の大学なんですか?」
「まあ、いいじゃない。私も
「前に、みんなで行ったことあるけど大きくてきれいなお寺よ」
そんな話をしながら慈代のマンションに着いた。
慈代の部屋に置いてあるDVDを見て、晴美がDVDを見たいと言い出した。
「慈代ってこういう映画が好きなのね」
「好きよ」
「あ、『〇の悲劇』に『〇〇八犬伝』もある。いいよね。私も好きなんだぁ」
「いいでしょう『〇〇〇・テーマ』も好きなのよね主題歌がいいの歌詞が文学よね」
「『〇の悲劇』も歌詞が文学よね。歌詞からインスピレーションが沸く感じ」
麗も好きなようだ。
「いいよねえ。」
結局、『〇の悲劇』を見る。三人とも無言で見入っていた。見終わったあと、
「いいよねえ」
と三人で口を合わせていう。
「まあ、慈代の場合、このコレクション見る限り、本当にこの頃の映画が好きなのね」
晴美が言う。
「そうそう」
微笑みながら慈代が応える。お酒も飲みながら見ていたこともあり、晴美は、だいぶ酔いが回ってきたようだ。
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