第13話

 新聞やニュースの文字情報で確認したところ、半グレどものグループは壊滅したようだ。

 加えて、佐藤の悪行も明らかになっていた。

 私はこれ以上、闘うつもりも、世に姿を見せるつもりもない。

 力が回復したところで、妻と息子にコンタクトを取る。後は、静かに彼らを見守って過ごしたい。

 だが、世の中では、私の存在が都市伝説のようなかたちで広まっているらしい。

 それはそうだと思う。図書館で、署で、道で、そして工場で、私は文字をまとった姿を見られすぎた。

 多くの都市伝説がそうであるように、私にも二つ名が与えられた。

 と言っても、どう考えてもふざけ半分でつけたような代物だ。『文字頭』を英語に言い換えただけのもので、どうにも格好がつかない。

 噂には尾ひれがつくもので、すでに、どこかの掲示板に依頼を書き込めば『文字頭』が助けに来てくれるのだとかいうデマも広まっている。

 私はヒーローになるつもりがない。再び人前に姿を現すつもりもない。

 ただ、半グレどもの生き残りが再結集しないとも限らなかった。妻と子の安全が脅かされるそのとき、私は再び文字をまとうだろう。

 それまで、都市伝説上の化け物として、半グレたちの抑止力になるのもよいかもしれない。

 そのための名は――


 ——キャラクターヘッド。

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キャラクターヘッド 葉島航 @hajima

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