第15話

「スライムと一緒にでかいカエルがいる」


カナタ『アクアトードです!スライムに塩をかけてもアクアトードの水魔法で洗い流されます』

『塩かけババアは出来ない』


 アクアトードが高圧の水流攻撃を放った。

 俺はステップを踏んで攻撃を躱す。


「くそ!遠距離攻撃はまずい!」


 サンダーミミックやホノカに攻撃が届いてしまう。

 俺はアクアトードを狙って倒した。


『アクアトードの肉はうまい!たくさん納品してくれよな』

『唐揚げがうまいんだよ』

『おお、余裕じゃね?』

『いや、これは消耗戦だ。今の優勢を維持できるかの戦いになる』

『この狭い入り口付近の曲がり角なら複数を相手にしなくて良くなる。カゲオ、そこに逃げ込んで体力を温存しつつ戦うんだ』


 俺は言われた通に曲がり角に逃げて戦った。

 ここならアクアトードの遠距離攻撃も届かない。

 更に曲がり角から顔を出した魔物はサンダーミミックとホノカの攻撃で倒れて行く。

 俺は曲がり角を曲がった瞬間の魔物を斬り倒すだけでいい。

 


 ◇



 ザシュ!

 最後の1体を斬り倒した。


「なんとか、第一波は凌いだか」


『レベルはいくつだ?』


「俺は21だ」

「私は15」


『カゲオが答えるとホノカも答えるのか』


 俺は倒した魔物をストレージに入れて螺旋階段を確認した。


「おっきいヘビの群れが、こっちに来る」


『ポイズンスネークだ。噛みつかれると毒を食らうけど、カゲオなら噛みつかれても問題無いだろう』

『カエルよりは戦いやすいだろ?』


「毒が効かなくても噛まれたくはない……後ろからデカい蜘蛛も来るんだけど!」


 全部人と同じくらいの大きさだ。

 毒が効かないかもしれないけど、大きい蜘蛛とヘビは怖い。


『ポイズンスパイダーだ。毒攻撃もするけど、糸を飛ばして攻撃してくる厄介な敵だ。糸攻撃は状態異常で防げない。厄介な相手だよ』

『さらに言うとポイズンスパイダーは壁を登る事も出来る。上からの攻撃にも気を付けるんだ』


「マジでか!」


 突撃して来たポイズンスネークを斬り倒していくと後ろからポイズンスパイダーが糸を飛ばして来た。


 出来るだけ躱して戦うが地面に糸が溜まり、足場が悪くなっていく。

 だが、倒せる!思ったより強くない!



 横壁を蹴ってポイズンスパイダーに斬りかかり、全力で走りながら攻撃する。

 体力を温存する余裕が無い。


『ああ、カゲオに糸が絡みついていく!』

『でも力ずくで強引に攻撃を続けているぞ!』

『糸だまりに転んだ!』

『まずくね!?』


 サンダーミミックの雷撃が俺ともども魔物を感電させる。


「エナジードレイン!」


 更にホノカが魔物に攻撃する。


「ナイスだ!」



 後ろからの援護を受けた隙に地面に張り付いた体を強引に引きはがした。

 糸と地面の岩が体に張り付いたまま魔物にタックルを食らわせた。


『カゲオ!生活魔法で糸を燃やせる!』


「おお!そうだったのか!」


 俺は体を炎で焼きながら戦った。


『ぎゃああああああ!燃えてる!燃えながら戦っとる!』

『いや、これでいい。カゲオは防御力が高くて回復力も高い。今は体が多少焼けてもダメージを気にせず動いて戦うんだ』


 俺は糸を焼き払いながら戦った。




 ◇




「はあ、はあ、何とか、倒した」



 地面に座り、体を休める。


 カチャカチャカチャカチャ!


「はあ、はあ、音が、する?」


『多分、スケルトンだ。こん棒を持っていて、防御力が高い。全員鉄壁持ちだ』

『力を入れて斬らないと倒せないぞ』

『しぶとい相手だ』


 刀で斬りかかり、スケルトンを1撃で斬り倒した。

 問題無い!

 思ったよりは固くない!

 1撃で倒せる!




 ◇




 俺はスケルトンと闘い続けた。


『カゲオとホノカってパーティーを組んでいるのか?組んでいるなら経験値は半分ずつだよな?』

『カゲオがほとんどの魔物を倒しているのにホノカの力が増している事を考えるとカゲオとホノカはパーティーを組んでいるだろうね』


「はあ、はあ、はあ、まずい、もう、きつい、ホノカ、サンダーミミックと一緒に下がれ、あれを使う!」


 サンダーミミックとホノカが下がり、ホノカがサンダーミミックの影に隠れた。


「くらえ!爆炎石!」


 投げた爆炎石が爆発して魔物だけでなく俺ごと吹き飛ばす。

 キューブが完全に壊れて配信が止まった。

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