第5話
海自の艦艇には陸自の一等陸佐が一人ついて行く事になった。戦車の引き渡しの為だ。偶然にもこの一等陸佐は昔ウクライナに駐在武官として行っていてウクライナ語が少し話せる。これが彼が選ばれた主な理由だ。ウクライナ語を話せる人間は貴重なのだ。
海自と陸自は出航の準備に忙しかった。そしてトルコとも連絡を取り合い、地中海から黒海に入るボスポラス海峡を開けるという約束を取り付けることに成功した。これによって海自の艦隊が戦争開始以来初めて軍用船としてボスポラス海峡を通り抜けることになる。そして3月2日、遂に海自の7つほどの護衛艦隊が札幌港を出発してオデッサ港を目指していった。
4月6日陸自は樺太の戦いを終わらせて安定した統治を行っている中、海自艦隊は遂にオデッサにたどり着いた。黒海艦隊は壊滅状態なため、ロシア側からの攻撃はなかった。黒海艦隊はウクライナ軍の度重なる攻撃により、旗艦モスクワを始めとした重要な船と航空機を失い、クリミア半島にある司令部も一部がドローンにより破壊されていた。更に船も壊れ始めていて、稼働率がとても低かった。そのため太平洋艦隊が救援に来るはずだったのだが肝心の太平洋艦隊は自衛隊の攻撃によりボロボロでもう全滅下も同然だった。北方艦隊は対NATOの関係で動けないため事実上孤立無援になっていた、その為海の上ではもう脅威ではなくなっていた。厄介なのはミサイルと一部の潜水艦だけだった。ただアジア最強の海軍を持つと言われる日本に勝つのは核を使わない限り困難だが。港につくとウクライナの当局者が迎えてきた。そしてオデッサ市内にある建物へ艦隊司令長官と陸自の一等大差、そして外務大臣と防衛大臣、通訳は入っていった。そこにはウクライナのゼレンスキー大統領とその側近が何人か待っていた。
「プリビット」
「プリビット」
とそれぞれ挨拶をした。そして本題に入っていった。まずウクライナと日本が相互防衛条約を結んで、お互いにロシアから攻め込まれたときは立ち向かうという事になった。そして今回の訪問と同時に90式戦車が十台の供与と陸自による訓練、が行われることになった。教動部隊は今回の一行にはおらず後ほど来ることになっている。そして肝心なのは黒海の中で対ロシア軍との戦闘を海自が援助することだ。その作戦についてはウクライナ海軍の士官と海自の士官が話し合いどちらが何を行うのかなどを話し合って行った。またこのことでウクライナは日本の第一の友好国としての扱いを受けられることになり、関税などが下げられた。しかし戦時中の今はそのようなことはほとんど意味がないが。そして防衛大臣、外務大臣、通訳、一等陸佐そして供与する為に持って来た90式戦車10台をオデッサ港に置いて海自艦隊は攻撃目標場所へと出発した。
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