第6話

海自はどんどん黒海の真ん中を進んで行った。ロシアの黒海艦隊は何もして来ない。いやできないと言う方が正しいか。ロシア黒海艦隊は弱くなり過ぎて今やセバストポリを離れられない状態だ。特に相手が2014年のクリミア侵攻以来弱くなったウクライナ海軍では無くアジア最強海軍。海上自衛隊なのだから。海自の攻撃目標は高官にしか開示されて居ない。何故ならロシアのスパイが居るからだ。誰かはまだ明らかになって居ない。但し士官であることは確認されて居た。その為高官に開示されている目標は偽の物だ。ロシアへの機密漏洩は絶対に避ける必要がある。機密が漏洩すると海自部隊は不利になる。ただでさえ海自は備蓄弾薬が少ないのだ。弾薬の無駄撃ちは全く出来ない状態だ。ただ米軍から供与されるまで持たせられば、足りる。それに今は日本周辺海域は完全に米軍が固めているから海自は主力を出せてロシア撃破に集中出来る。






そして海自の船はクリミア大橋の近くに到達した。それと同時に呼応するかのようにウクライナ軍はずっと噂されていた春の大攻勢を開始した。ウクライナ軍はこの為に準備をして居た為余程のことがない限り負けない。ロシア軍と違って直ぐに攻勢限界点に到達する心配もない。何せ現在はレオパルドを始めとした西側の最新鋭戦車がウクライナにはあり、ロシアは度重なる去年の9月にハルキウで起こした失態により戦車の数がだいぶ減って居て残っているものの多くはT62などの50年以上前の戦車だ。とても数が多いロシア軍の主力戦車、びっくり箱戦車として有名なT72でさえもかなり数を減らしている。武器の質で言えばウクライナ軍は圧倒的有利だ。それは疑うことは無い。唯一の心配は人員が足りないことだ。ロシア軍は人海戦術を使っても大丈夫な程に兵士が居るのに対してウクライナ軍はかなりの人で不足だ。元々ウクライナの人口はロシアの2分の1以下なのだ。それに3日で首都キーウは落ちると言われて居た。それほどの弱小国が世界第2位の軍事大国として有名なロシアに1年以上も持っているのだ。そこへ数は少ないと言えど世界で五番目に強い軍隊である自衛隊が参戦したら核を使われない限りウクライナ日本同盟が勝つのが確実だ。特にロシアの海軍は日本の海自には勝てない。アジア最強海軍は日本だと有名だ。





そしてクリミア大橋の真下を通っている海自艦隊はクリミア大橋を素通りしてアゾフ海を目指した。これには思惑があった。海自はロシア軍がクリミア半島を通過してウクライナに援軍を送り込むことを知って居た。何せロシア軍の無線は壊れていたり数が足りなくて電話を使って居るため傍聴しやすい。その為ロシア軍が通っているその時に砲撃をする事で被害を増大させようという狙いだ。これが成功するのかは誰も分からない。それぐらい今回の作戦は難易度が高い物だ。但し同じ数であったらアメリカ海軍に匹敵するかそれ以上の実力を持つ海自ならば成功する可能性は存在した。











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