破壊の権化
「え~。魔人国が攻めて来るの~? 王国軍が敗走?」
「はい……。兄上さまも行方知れずと連絡を受けております」
う~ん。困ったな~。またか~。
でも、今回も王国側から攻めてんだよね?
悪いのこっちでない?
ここで目の前に、"扉"が現れた。
『次は、ちゃんとイメージしてドアノブを回しましょうね~』
う~ん、イメージか~。
さて、どうしようかな~。
「魔人国を、追い払ってくれる人~」
『だから~! アバウト過ぎんだって言ってんだけど!?』
今回は女神様からの突っ込みを聞いたので、あーしは掴んだドアノブを放した。
危ない、危ない。
「え~。具体的に教えてよ~」
『ゴホン。普通は、個人名とかを思い浮かべて、ドアノブを回すモノですよ~』
「来るのは、異世界人じゃん? あーしが、個人名を知ってる訳ないじゃん?」
『この世界の過去の英雄でも、いいんですよ~。それに、"聖書"を読みましょうね~。他に貰った本も読み込めていませんよね?』
ほうほう、なるほど!
「じゃあ! ファフ〇ール!」――ガチャ
『ぎゃあ~! もう、人でも神でもないじゃないの~!』
◇
「風が、気持ちいな~」
「……のう、リナ嬢。魔人国の説得だけでいいのか?」
今あーしは、ファフ〇ールさんの頭に乗せて貰って、移動中だ。
でっかいドラゴンさん。
あーしの世界の神話に出て来る、破壊の権化。神々を怯えさせたその一柱。
「ワシのブレスなら、その毒性で国一つくらいなら一日で滅ぼせるぞ?」
「ダメだよ~、ファフ〇ールさん。平和的に交渉してよ~」
「むう~。ワシに難しい注文をする
「ファフ〇ールさんは、魔人国の神話でも出て来るんでしょう?」
「そうよな~。神話の時代に魔人たちともやり合ったからな……」
「そんじゃあ、お願いね」
ファフ〇ールさんは、渋々了承してくれた。
◇
戦場に着いた。
連戦続きで、疲弊した王国軍は、壊滅状態だった。
その真上を、ファフ〇ールさんが、横断して行く。
ちょっと離れた、魔人国の軍隊の陣営の前に着地する。
――ズシーン
地面が揺れる。
長高50メートルくらいのファフ〇ールさんが、地面に降り立つと、地割れが起きた。
あーしは、ファフ〇ールさんの頭に乗せて貰っているんだけど、振り落とされそうなのを、必死で耐えた。
「ワシは、ファフ〇ール! 魔人国の将軍よ、出て来い!」
ちょっと、ファフ〇ールさん。声大き過ぎ。それと、あーしを忘れてない?
鼓膜が、破れそうなんだけど?
暫くすると、数人の魔人さんたちが来た。
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