扉サモン、扉カモン! ……あれ?
開拓を頑張っていると、王都から使者が来た。
久々登場の、オーソクレイル卿だ。
「うん? 魔人国に進軍するの?」
「はい……。王国に向かっていると連絡があり……。先にこちらから仕掛ける様に命令が下りました」
そうなん? 砦からは、何も連絡来てないよ?
「それで、スピネル辺境伯領からも兵士を出して欲しいのですが……」
う~ん。
交渉したら、半分の兵士を連れて行かれることになった。
それと……。
「リナ……。それでは、行って来るね」
「兄上さま。将軍としてよろしくね~」
兄上さまに、辺境伯軍を纏めて貰うことにしたのだ。
もう、大出世だね。
こうして、王国軍が進軍して行った。
あーしは、それを見送る。
「大丈夫なんかな~。本当に魔人国は動いてんのかな~?」
『ダメでしょうね。敗戦確定です。それと、魔人国は軍を動かしてはいません』
「え~。なら行かせなかったのに~」
『王族の命令ですからね。辺境伯の命令でも、命令のキャンセルは無理ですよ?』
兄上さま、大丈夫かな?
◇
「う~ん。そろそろ麦を育てたいな~」
「どうでしょうかね……。牧野富〇郎さんは、再来年と言われたのでしょう? 小規模の農地で試すのであれば、良いかと思いますが……」
文官Aさんは、反対みたいだ。
そうだよね~。まだ一年なんだし。あーし、慌て過ぎだ。
「そんじゃ、各地の生育状況を調べて来て。そんで、小規模でいいからさ、各地で麦を育ててよ」
「承知しました。それで、ご報告があります。害獣の被害が増えております」
農業は大丈夫かな、っと思ったら害獣?
「鹿や猪が、野菜を食い荒らしております」
う~ん。また、問題発生だ~。次から次に来るな~。でも解決しないとな~。それが、辺境伯の仕事なんだし。
あーしは、現地に足を運んだ。
「う~ん。芽が出たら食べられているのか~。面倒な獣がいるみたいだね~」
「どうやら、新芽を好んで食べる獣がいるみたいで……」
今こそ使うべきだ。
「扉サモン」
――シーン
あれ?
「扉カモン!」
『ゴホン。今回は、異世界の勇者に頼らないで解決しましょうね~』
ぶ~。女神様は、ケチだな~。
話し合いを持った結果、柵を作ることが決まった。
それと、捕まえた狼や犬を飼うといいらしい。
狩人さん達に、狼の捕獲をお願いする。
村民たちが意見を出し合って、実行に移る。
「他の村にも伝えないとね~。水平展開よろしく~」
「承知しました。お任せください」
文官Aさんは、優秀だな。
そんじゃ、あーしも働こうか。
「リナ様? どちらへ?」
「せっかく"ライフル銃"を貰ったから、鹿を狩って来るね~。運搬の人手の手配をお願い」
ふっふっふ。あーしには、"狙撃"スキルがあるのだ。今日のお肉は、期待していいよ。
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