ケチ~!
ジークさんは、帰って行った。
「次は、怪物が現れた時にでも呼んでくれ……」
「ジークさん。ありがとでした~」
ジークさんのお土産は、"北欧神話"と"
"北欧神話"の方は、いっぱい神様が出て来る。これで、召喚できる人(?)が増えるな~。頑張って読もう。
"龍殺しの大剣"は、数人でやっと持ち上げられる重さだった。
100キログラムくらいありそうなんだけど?
試しに、あーしも持ってみる。
――ヒョイ
「あれ? 持ち上げられた?」
「「「えええ!?」」」
――ブンブン
持てた? それと、結構振り回せるかもしれない。両手なら行けそうだな~。
『神話の武器は、担い手を選ぶんですよ~。物質的な重さは、ないんですよ~』
ほうほう……。いい事を聞いた。あーしなら、神話の武器を扱えるかもしんない。
"北欧神話"を急いで読む。
「この人だ~。雷神トールさんカモーン。ミョルニルかトールハンマー下さいな~」
『却下! 何を破壊するつもりですか! 山を吹き飛ばす武器ですよ? 軍隊どころか、国を滅ぼす武器を要求しないで~!』
「ケチ~!」
◇
「さて、戦争の後始末だな~」
捕虜になった、帝国兵はいないんだけど、瀕死の投降兵が砦に来た。
「仲間を助けてくれ。俺はどうなってもいい……」
「あーしは、皆助けるよ?」
「えっ?」
ポーションを千本購入する。それを、帝国兵に飲ませると、一本で全快した。
ジークさんは、お酒みたいに飲んでたけど、あれは何だったのかな? 飲み過ぎ?
その後、食事を与えると、怪我人はいなくなった。
帝国兵の人たちが、頭を下げて来る。
「いかようにも、ご処分下さい。命を助けられたのです、奴隷落ちでも構いませぬ」
「そんじゃまずさ、戦争がどうなったか教えて」
「……闇夜に、鉄の塊が暴れ回っておりました。一振りする毎に十人が吹き飛んで……」
帝国兵さんは、震えていた。
「もう、いいです……」
聞いちゃいけない話だったな。
帝国兵には、帰って貰った。
仕掛けたのが、王国側なんで言い逃れもできないけど、秘密裏にスピネル辺境伯と帝国で平和条約を結んで貰うことで合意した。
次に王国が兵を上げる場合は、スピネル辺境伯領で足止めするのだ。
ちょっと王国の兵隊さんには可哀相だけど、邪魔しちゃおう。
交流もしたかったけど、それはバレるので、国同士が仲良くなってからかな。
「王家をなんとかしないとですね」
文官Aさんを見る。
「どうしようもないんじゃない? 国が疲弊しているのに、戦争してんだもん」
「そうですな……。準備だけはしておきますか」
ん? 何の準備?
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