兄上さま~。無事でよかったよ~
あーしは、教会で祈りを捧げた。
お祈りポイントを少しでも増やしたい。そうすれば、"ストア"で何か買える。まだまだ、ポイントはいっぱいあるけど、何時大量消費するとも限らない。
ここで、教会のドアが開かれた。
「リナ様。戦争が終わりました。王国の勝利です!」
「はえ?」
話を聞くと、帝国軍は、辺境の砦に辿り着く前に帰って行ったらしい。
何か……、奇襲を受けて壊滅状態だったとか……。
「間違いなく、ジーク殿ですな」
「砦の兵士たちは~? 出兵したの?」
「いえ……。砦を守っていたそうですが?」
そうなると、独りで向かったんかな~?
ジークさん、怪我してないかな~。
あーしは、急いで砦に向かった。
◇
「うわ……。大怪我してんじゃん」
「ふっ。かすり傷さ」
あーしは、"ストア"で大量にポーションを購入した。
「おお、ポーションか……。伝説級なのにそんなに一杯出せるんだな。リナ嬢は、凄いスキルの持ち主なんだな」
「いいから、早く飲んでよ!」
ジークさんが、お酒を飲むようにポーションを飲んで行く。
ついでにおつまみを要求して来た。
あーしは、何時ものジャガバタを出すと、喜んで食べてくれた。それと、パンにチーズと肉を挟んで食べ出した。
ああやって、食べるんだ……。
「ふ~。一息ついた。さて、もう一狩り行くか」
「え~。撤退したんだし、大丈夫じゃない?」
「密偵狩りだ。そうだな。砦の兵士たちにも手伝って貰おうか」
ジークさんが、視線を移すと、兵士たちがビシッとした。ピリリと雰囲気が引き締まった感じだ。白起さん達とはまた違う、存在感だな~。
数日後、帝国側から終戦協定を結びたいと連絡が来た……。
◇
帝国との交渉で、捕虜が帰って来た。
兄上さまも戻って来たのだ。
「兄上さま~。無事でよかったよ~」
「リナ……。なんで、辺境伯になってんだ?」
女神様が、あーしに協力してくれていることを説明したんだけど、理解できないみたいだ。つうか、ドン引きしていた。
兄上さまは、父上の屋敷に向かった。
あーしの補佐は、してくれなかったんだ。
「う~ん。人手が欲しかったのにな~」
『……妹が、男爵代理から辺境伯になったら、そりゃ怖がられますよ~。侯爵と同等の地位なんですからね~』
そうなんだ?
あーしは、怖がられている。実の兄に?
『ここまでの話だけ聞けば、超危険人物じゃないですか~?』
う~ん。危険な人物を召還したのは、"扉"じゃん?
あーし、ドアノブを回しただけだし~。
『あなたの発想力が、危ないと言っているのですよ~』
マジか~。
あーしは、危険人物認定されてんのか~。
兄妹仲を、どーすっかな。
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