領主の仕事って、仕事を与えることではないんかい?
ク〇ントさんは、10日間毎日出航してくれた。
そして、毎日サメを釣り上げて来た。
「やっぱ、凄い漁師さんだったんだな~」
並べられるサメさんたち……。
港町の漁師たちは、唖然としてるよ。
それと、食べられるらしいので、調理方法も教えて貰おうとしたんだけど……、人を襲ったサメは食べないとのことだ。血肉は、海に帰して、骨は加工品にするらしい。
「リナ嬢。もうサメの姿が見えなくなった。残ったサメは、逃げて行ったのだと思う。漁業ギルドに話して、出航を許可してやってくれ」
「ありがとう、ク〇ントさん。助かりました~」
「ふっ。美味しいジャガバタのお礼だ」
ここで、"扉"が現れて、ク〇ントさんが帰って行った。
お土産は、"小説ジ〇ーズ"と"釣り竿"だった。
『……危ない人ですね。これからどうなるのか、怖いです』
「うん? そんなに怖い人じゃなかったよ?」
『"危ない"の意味が、違うのよ……。もう、説明する気力もないわ……。後から抗議が来たらどうしましょうか……。うう、胃が痛い』
女神様も疲れるんだ? 何か悩んでる?
まあいいや、これから港町との交渉だ~。失敗はできないのだ~。
そう思ったんだけど……。
「「「リナ辺境伯に、全面的な協力をお約束致します」」」
港町の全員が、頭下げて来たんだけど?
あーしは、なんもしてないよ?
軽油を買っただけ……かな?
まあ、いっか。
「そんじゃ、海の幸と山の幸の交換をお願いね~。いっぱい交流してね~。スピネル辺境伯領の物流を豊かにしてね~」
「「「承知いたしました」」」
やった~。今回も、とっても上手く行った~。
帰り道、突然、女神様から言われた。
『塩も、海の幸も"ストア"で買えば、良かったんじゃないですか~?』
「う~ん。それだと物流が偏っちゃうよ~。領民の仕事を奪う事になんない? あーしは、仕事を増やしたかったんよね」
『バカっぽいのに、考えてはいるんですね』
領主の仕事って、仕事を与えることではないんかい?
◇
スピネル辺境伯の屋敷に帰って来た。
ちなみに、お父さまは、移って来ない。自分の屋敷で過ごしたいらしい。スピネル男爵さまのままなのだ。
そんな訳で、あーしは代理ではなくなったのだ。
「気が付いたら、お父さまより上の爵位になってたな~」
お仕事、頑張ろう。
まず、目の前の書類の山を、どうにかしないとな~。
そんな時だった。
ドアが乱暴に開かれた。
「どうかしたの?」
「王都より、手紙が届きました。戦争の状況が記されているとのことです。それと、兄上さまの近況も書かれているかと」
え? 兄上さま?
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