港町のサメ退治

「うん? 不漁なの?」


「はい……。サメが住み着いてしまい、漁ができないのです……。魔人国の仕業とも噂されています」


 港町に着いたあーしは、港町を管轄している漁業ギルドに案内された。

 そんで、塩と海産物を買おうとしたら、逆に相談されたのだ。


 う~ん……。

 サメ退治か~。怖いな~。あーしは、泳げないんよ……。


 ここで、"扉"が現れた。

 この港町も救った方がいいのかな~。


「女神様~。サメ退治した方がいいの?」


『あんまり危ない人物を、召喚しないでくださいね~』


 そう言われてもな~。

 サメ退治って、どんな人?


「う~ん、サメを退治した事のある人~」


『だから、ザックリし過ぎ~!』


 扉が開かれて……、船が出て来た?

 船は空を飛んだまま進んで、海に着地したんだ。魔法?



「俺は、ク〇ントだ。"ジ〇ーズ"つう映画の主人公だった者だ……」


『おい! 想像上の人物じゃねぇか? どんな発想してんだよ? つうか、版権の問題あんじゃねぇか?』


 女神様から、激しい突っ込みが来た。

 また、呼んじゃいけない人だったのかな~?



「もぐもぐ、なるほどな……。そのサメ、俺が釣り上げてやろう」


 ク〇ントさんが、ジャガバタを美味しそうに食べながら依頼を受けてくれた。

 うん、交渉には美味しいモノだよね。


 その後、ク〇ントさんが出航した。

 港町の皆が、唖然として見ている……。


「どうかしたの? なんか変?」


「いえ……。あんな船は見たことがないので……」


 あーしは、海に来るのは久々だった。船の形なんて知らないよ~。


『異世界の船ですからね~。奇妙な形に見えるんでしょう?』


 そうなんかな~?

 港町の船を見る。手漕ぎボートとか、筏だった。

 確かに、船の大きさとか違うよね。


「オルカ号って、未来の船? ク〇ントさんは、未来から来た人なんかな?」


『だから、映画とか小説の中の人物ですって。異世界の俳優が演じた人物なんですけどね。まあ、架空の船と人物です』


 良く分んないな……。





 日暮れ前に、ク〇ントさんが帰って来た。


「おー、大量だ~」


「リナ嬢。とりあえず、5匹だ……。燃料を補給したらまた明日出航する。しかし……、サメの多い港だな」


 燃料? なにそれ?


『軽油ですよ~。"ストア"で購入しましょうね~』


 良く分んないけど、ポチッとな。


「……おう、ありがとな。つうか、今どっから出したんだ? このドラム缶」


「"ストア"だよ~。知らないの?」


「……異世界なんだな。それも、未来の」


 あーしからすると、ク〇ントさんの方が、未来人なんだけど?


『映画の主人公に、異世界って言わせないでください』


 誰がボケで突っ込みかも分からないよ。





 映画ジ〇ーズは、1975年の公開。20年以上前なのでセーフですよね?

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