貧乏くじ引いたかな~
「うーん。やることが山積みだ~」
領地が一気に10倍になったんだけど、何処も飢餓状態だった。
辺境伯が溜め込んでいた麦を、領民に放出する。あ、種籾は、残してね~。
それでも、食料が足らない場合は、スピネル領からジャガイモを提供した。白米は……、もう一回収穫してから、皆で食べよう。食べ方も分かったんだし。
畑を耕して、ジャガイモを植える。
沼地には、米を撒いて貰う。生育方法は……、もうちっと待ってね。あーしが追い付けない。"植物図鑑"が読めてないんよ。
「う~ん。食料はやっぱ麦を育てたいな~。ジャガイモ、白米、小麦って育てられれば、一種類の生育が悪くても、飢えることはなくなると思うんよね~」
それと、海だな~。なんと、港町まであーしの領地になった。
海産物は、大きいと思うんよね。それと、塩だよね~。
「リナ様……。いえ、リナ辺境伯。鉱山はいかがなされますか? 金鉱山と宝石鉱山があります」
あ~、もう。また別な問題だよ。
「鉱山労働者は~?」
「食料を多めに与えるようになってから、生産が増えました。今こそ拡張すべきかと」
次は、別な役人だ~。
「リナ辺境伯。領民は、衣類と住居を求めています! そちらに投資すべきです」
「いえ、リナ辺境伯。この地は、帝国領と魔人領に隣接しております。今こそ、兵士を鍛え直して、侵攻すべきかと」
皆、言いたい放題だな~。
話を聞くと、前任の辺境伯は、ほとんど仕事をしていなかったらしい。
そんで、不満が一気に爆発したんかい。
「はあ~、貧乏くじ引いたかな~」
◇
まず、衣類だ。"ストア"で、購入することにした。領民が、奪い合って行く。
領民には、畑作業の後に、各集落で住居を作る様に依頼した。テント暮らしの人たちもいたので、これは従ってくれる。それと、元兵士たちにも重労働をになって貰った。
「毎日の成果を報告してね。それと、悪評が立った隊には……、罰ゲームあっからね?」
それだけ言ったら、どの隊も毎日ノルマを熟してくれている。やれば、できる人たちだったんだ。もしかすると、"統率"が働いてる?
まあ、鉱山労働を行って貰う予定だったんだけど……、鉱山は今のままの人員で大丈夫かな?
「魔人さんたちは、こっち見てる?」
「いえ……、この数年は目撃情報はありません。帝国の方も動きがないと連絡を受けております」
それって、兵士を遊ばせてただけじゃん。何してたんだか。
「そんじゃ、あーしが気にしている港町に行こっか」
「あそこは……、独立自治を宣言しておりまして……。従うとは思えません。放置がよろしいかと」
ふ~ん。そうなんだ?
「一応さ、新任の辺境伯の挨拶ってことで」
「では、護衛を百人ほど連れて行って下さい」
もう危ないことは、嫌なんだけどな~。
「それと、港町は何か欲しいモノってないの? 塩と交換したいんだけど……」
「……麦でしょうな。いえ、山の幸……チーズでも持って行けば、喜ばれるかと」
文官Aさんは、優秀だな~。
「そんじゃ、お土産用意して、行こっか~」
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