あーしが辺境伯?
辺境伯の城に着くと、皆縛られていた。
「わ~。何してんの~!?」
ちょっと、ちょっと。怖いよ~。
「おう、リナ嬢。良く来てくれた。投降兵と辺境伯の親族を捕まえておいたぞ」
流石のあーしも、ドン引きだ~。
女神様も怖い人を寄越しだもんだ。しかも、3人連続だよ。
『戦争パートですからね~。中途半端な人を召喚するよりは、実績のある人に来て貰いました』
う~ん。あーしは、のんびりと男爵領を開拓してたかったんよね。
戦争は、嫌だな~。
「リナ男爵令嬢様! 辺境伯の土地と権利を譲渡する! だから、命だけは助けてくれ!」
あーし、殺す気ないよ?
白起さんを見る。
「リナ嬢。騙されるな。こいつらは、生き延びたら再び武器を取って襲って来るぞ……。ワイは、歴史を知っている。燕と斉という国の話になる。生き延びた王族が、滅びかけた国を立て直してだな……」
ふむふむ。復讐か~。
シモ・〇イヘさんに身内を殺されてるんだし~、あーしが主犯だと分かったら、復讐に来るよね……。
でも~、ここにいる人たち全員か~。
女性も子供もいんのよね~。
「待ってください!」
ん? 誰だ?
なんか、ビシッとしたイケメンが、馬に乗って来たぞ? 護衛は、10人だ?
白起さんが、あーしを庇う位置で守ってくれる。
領民も、奪った武器を構え出した。
「私は、オーソクレイル侯爵代理だ。視察に来ていたのだが、神託があったのでこの城に来た」
神託?
「女神様~? なんかした?」
『……事後処理は、オーソクレイル卿に任せましょうね~』
ふ~ん。今回は、異世界召喚じゃないんだ?
「ありがとうございました。白起さん」
「虐殺を行わなくて、良かったよ。ワイにもリナ嬢のような同僚がいればな……。また違ったのかもしれない。それじゃ、頑張るんだぞ。戦争になるんであれば、また呼んでくれ」
白起さんは、"扉"を潜って帰って行った。
白起さんから受け取ったのは、"孫氏の兵法"と"統率"だ。
◇
「そんで、オーソクレイル卿? どうすんの?」
「兵士は、リナ嬢が率いて貰いたい。辺境伯の身内は、王都に移って貰う」
「ふむふむ~。もしかして、あーしが辺境伯? この辺一帯を纏めんの?」
オーソクレイル卿が、キラキラオーラを出して、笑顔を向けて来た。
「それがいいと思う。王家には、私の方から上奏しておくよ」
それを聞いた領民が、歓声を上げた。
縛られている、兵士を見る。
「「「し、従います! 兵糧もお返しします」」」
あーしは、そんなに怖いかな~。
まっ、いっか。
「そんじゃ、良きに計らえ」
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