戦国四大名将

 数日が、経過した。

 シモ・〇イヘさんが、帰って来た。

 あーしは、"ストア"でアルコールを購入する。


「うむ、美味い。勝利の美酒だな~」


「勝利?」


「ああ、辺境伯以下、指揮官クラスを全員撃ち抜いて来た。生きている奴もいるかもしれんが、今ならば、軍も動かせないだろうな~」


 ……あちゃ~。やっぱ、怖い人だった。

 でも、どうすっかな~。

 農民引き連れて、辺境伯の砦を襲っても、その後が続かないと思う。

 なにより、あーしは、戦争なんかしたくない。


「う~ん。もう一回、ラスプー〇ンさんに来て貰いたいな~」


『ダメ!』


「ケチ!」


 女神様と口喧嘩しても、時間の無駄だな~。

 そう思ったら、"扉"が現れた。


「俺は、ここまでのようだな。この"ライフル銃"と"狙撃"を置いて行く。弾は、"ストア"で購入すればいい。リナ嬢、頑張るんだぞ」


「あんがとね~」


 シモ・〇イヘさんが、帰って行った。

 そして、入れ替わりで誰か来た?


 すっごい、怖そうな人なんだけど……。

 だけど、笑顔を心がけねば。

 あーしは、領主代理なんだ。


「良く来てくれました、異界の勇者様~。あーしは、領主代理のリナ・スピネルと申します~」


 テンプレの挨拶をする。


「……何処だ?」


「異世界みたいっす」


 わ!? 槍を向けて来たよ~。領民が、あーしを庇う位置で守ってくれる。


「……ワイは、白起は〇きだ。敵を教えろ」


 名前が短いよ~。伏字が使えないじゃん。




「ワイは、死んでから、"戦国四大名将"とか、"武廟十哲ぶびょうじってつ"に選ばれてもさ~、嬉しくないんだよね~。後世では、"40万人を生き埋めにした将軍"としか、認識されてないし~。あの時、邯鄲落としてればな~」


 白起さんは、愚痴を言いながら、白米を食べ始めた。

 主食は、麦だったらしい。だけど、ジャガイモは、食べ慣れないんだとか。ジャガイモよりは、白米の方が馴染があるらしい。


「ふ~ん。同僚と喧嘩して、上司に怒られちゃったんだ~」


「後世の歴史家たちが、ワイの正しさを評価してくれてんだけどさ~、悔しくて悔しくて……。でも、それだけのことをしちゃったんだよね~」


 白起さんが、食べ終わった。


「さて……、愚痴ったし、腹も満たされた。戦う意思のある奴は着いて来い」


 白起さんが、槍を掲げると、領民が立ち上がった。

 士気が高いな~。



 次の日に、連絡役が来た。


「えっ? 辺境伯軍が投降?」


 話を聞くと、白起さんが、砦に突撃して数十人を倒したら、兵士たちは武器を捨てて投降して来たらしい。

 本当に戦わない兵士たちなんだな~。


「それで、辺境伯軍の砦と城を制圧しました。事後処理をリナ様に問われています」


 う~ん。怖いけど行くしかないな~。

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