第4話 スマイルの水滴

優しい水滴


とある学校のクラスに

難しい顔をした恵み(めぐみ)が授業を受けていた


メグミは自分だけ良ければいい

だって、みんなも同じ

自分だって同じにする

そんな毎日を送る女の子でした


クラスのみんなは、仲良くしてるふり

クラスではミキという女の子が優しいと

みんな言うけど、良く見られたいだけ

そうメグミはいつも思っています

ミキはメグミにも話しかけるけど

良く見られたいだけでしょ?そんなの辞めてよ!

みんなが見てるから優しくしてるだけでしょ?


そんなメグミだから

ミキしか、話す知り合いもいません


その日の下校時に 不思議と まん丸な石を見つけました

本当に丸い‼️

しかも透明な丸い石

あまりに不思議だったので

ポッケに入れて持ち帰りました


パパやママや妹にも

クラスメートと同じ態度

パパやママは妹ばかり可愛がるから嫌い


ご飯をいつも残し済ませると、いつも自分の部屋に行くメグミ

それを毎日、悲しい顔で見るパパやママのことは

気づきませんが、パパやママもミキと同じく

部屋に行くメグミには毎日『いつも大好きだよ。おやすみ。』と、言いますが、メグミにはパパやママやミキも同じように見えています


夜も遅くなって

眠くなりベッド入る時

不思議な丸い石が光出しました


メグミ『え?』

丸い石は話し出したことにも

びっくり!


丸い石『メグミちゃんは、優しさの意味がわからないんだね。かわいそうに。』


びっくりした気持ちから、丸い石に言われたことが

イライラに変わり

メグミは言い返します

『優しさ?そんなのいらない!みんなは良く見られたいだけ。私はそんなのはいらない!かわいそうなんて言われたくないっ』


『それじゃ優しいミキちゃんやパパやママのことを分からせてあげる魔法をメグミちゃんにかけてもいいかな?』


『想像できてるけど?私に何か得があるの?』


丸い石『もしミキちゃんたちの優しい気持ちに

君が暖かい気持ちにならないなら、キミの欲しいものをあげる。でも暖かい気持ちになったら、

キミからミキちゃんの優しさをもらうよ?いいかい?』


『それなら、魔法をかけてよ!欲しいものをもらえるなら』


丸い石は更に光り出し

『丸い丸い丸い』と言って

光は失せて、元の丸い石になりました

気づくと、見慣れない部屋にいました

なんと

鏡を見たらミキになっていました

しかも体が勝手に動きます

え?え?


下の部屋から『おいっミキっ、早く朝飯作れっ』

と、ミキのパパが言っています。


あれ?ミキのパパは優しいパパと評判だったのに?


下におりると

見たこともない顔をしたミキのパパがいました

あれ?そう思っていたら、ミキのパパからは

『早くしろよ!』と、どなられています

ミキの気持ちもメグミの心に入ってきました

優しくしたらパパも変わるかな?

ミキの心はそう言っていました


仕方なく料理してから学校に

クラスに入ると

また体が勝手に動きミキの心の中であふれていました


友達に優しくしたい そんなミキの気持ち

その心の中には、優しくしたら優しくしてもらえる

人に優しくしたら、それはかえってくる

人に優しくしたら、みんなも優しくなれる

みんな優しくなれたらパパも変わるってくれるかもしれない。


実はミキの優しさ行動には

人の前だけは優しいパパに見ていないところでも

変わって欲しい

変わって欲しいなら、自分から優しくしたら

みんなも優しく変わる

みんなが変われたらパパも変われるかもしれない

みんなが優しくなれたら、

みんなも幸せになれる という大きな

それは大きな願いが込められていました


ミキから見たメグミが写っていました

ミキはメグミにも優しくなって欲しい

自分ばかりじゃメグミが一人ぼっちになってしまう

そんな優しい気持ちだけがミキの心にありました


ミキの優しさには

みんなに優しくなって欲しい

それだけの気持ち

そこには自分のことは全く考えていない

純粋な気持ちだけなことにメグミは気づきました


少し暖かい気持ちになり

メグミはパパやママや妹のことも

思い出している最中でした


ミキとして下校していたら

横からトラックが来て、大きく撥ね飛ばされました

失せれ行く意識、、、


気づいたら病院にいました

ミキのパパが『ミキッ!ミキッ!涙するパパ。

そんな顔を見られただけでも、ミキは嬉しかった。そんなミキの心が流れてきました。』

パパは『死なないで!何もできない自分がいて、

パパはミキに申し訳なくて、そのイライラを

ぶつけてたんだ。本当にごめん。だから置いてきぼりにしないで!』


そうミキは、そのまま息を引き取ります

パパが優しくなれたから、

パパの優しさに触れられたから

パパが冷たい行動の意味をしったから

その顔も笑顔のままで長い眠りにつきました


その後涙のメグミは また眠りに落ちました


真っ暗な世界にいたメグミ。

今思い出すと


なんでも自分自分だったから

みんなの優しい気持ちに気づけないメグミ

パパやママや妹も、思い出すと

ご飯を毎回残すメグミへの心配という優しさや

毎晩ご飯を食べたら部屋に行くメグミに

『いつも大好きだよ』という優しさが込められていたことに 『いつも』という深い意味さえも


メグミは気づきました

自分ばかりだったから、みんなを見てもいなかった

見ていないから、優しさに気づけなかったことを

知り、みんなの優しさにはメグミを思う気持ちしかなかった。優しくされたいなら、自分も周りに優しく。そんなミキの心を知ると

涙がでて、とっても暖かい気持ちと、気づかせてくれたミキを救いたい熱い気持ちに


また光出す丸い石が

『キミは優しさを知り暖かい気持ちになった。

なんでも自分、自分では、優しくなんてされない。優しさは自分がした優しさ行動の後からプレゼント。約束は覚えているかい?』


メグミ『ま、待って!ミキを、ミキを救いたい!

ミキには優しさでプレゼントしたいけど

私の心の欠片2つなら叶えてくれる?』


丸い石『本当にいいのかい?』


『うん。ミキを助けくれるなら』


丸い石『キミの欠片を2つもらおう。約束はここに!』


そういうと丸い石は弾け

世界はミキが優しく話しかけた過去に戻っていました。


ミキの顔を見たら涙が止まらない


その後はメグミは、誰にでも優しくする子になりました。

ミキのパパの気持ちを、まずは変えたくて

ミキの家にメグミのパパやママを連れて

行きました。大人通しの話は分かりませんでしたが

ミキのパパは、優しいパパに変わっていきました。

ミキもパパの心を知り涙していました。


メグミが優しくなったからか


ミキの事故の日も、事故は起こりません。

その後もメグミは、周りには優しく

ひとりぼっちの人にも

声かけする優しい女の子になり

大人になっても、誰からも好かれる人になりました。


優しくされたいなら自分から優しく

応援されたいなら自分から応援

どんなことも自分が作れる

それを教えたくて学校の先生になり

末永く生徒に優しい行動を教える生徒になりました。


そうそう丸い石がメグミから取った心の欠片は

ひとつは自分ばかりという考え

二つ目は人が見ていないところでは

きちんとしない

この2つだったんだ。


このお話を見た君たちの中でも

メグミみたいな子もいると思う


優しくされたいなら、まずは自分から優しくしてみて御覧


誰かが見ている、見ていないに関わらず


見ていないところと思っても誰かは見ている


お風呂に張った水に、優しさという一滴をたらしてごらん


一滴がお風呂の水に、波紋をつくるよね


優しさって、波紋のように、人から人へと

うつるんだよ。


自分が優しくなれたら

周りも優しくなれる

周りも優しくなれたら

その周りも優しくなれる

みんながそうなら世界は変わるんだよ。


おしまい

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