第143話 ドナルドとミリアムの婚姻
国王の言葉にミリアムは感謝の涙を流し、ドナルドも国王に深く頭を下げた。
しかし、国王の煮え切らないというか、その方声で話を検討する!といった態度に王妃が首を振りつつ、爆弾発言をする。
「・・・この若き恋人の即時結婚を国王及び王妃たる私の立ち会いのもと認め、宣言します」
本来はしないのだが、王妃にも婚姻宣言をする権限が有る。
国王と同等な権限を持つが、公の場にて国王を立て、政には聞かれた時しか助言しない。
しかし、今回は可愛がっていた姪の為に権利を行使した。
国王はあちゃーといった面持ちながら、国王としてドナルドとミリアムの婚姻宣言を公にし、彼らに祝福を送った。
国王の態度は、娘を嫁に出すものか!といった親がよくする駄々だった。
王妃が言ってしまったので諦めたようだ。
また、ドナルドが関係を持った女性達にも謝罪と補償を約束した。
その後にし、3人の女性達はすぐに分かりドナルドに憑依していた使い魔のせいで、自分の意志とは関係なくドナルドが口説き、口説かれた。
3人は生徒が2人、女子寮の16歳のメイドだった。
そう、惹かれてしまったのだと説明され、納得した。
彼女達はドナルドに恨みはないと言い、ミリアムにも敬意を表した。
その後、ドナルドとミリアム、3人の女性はセルカッツの屋敷に向かうことになった。
ドナルドのしたことは、アイリーンが雇用者というか、管理者となるため、その夫になったセルカッツが責任を持ち身元を引き受けるとした。
国王もミリアムの婚姻の祝福として多額の金品を出すと言ったが、代わりにミリアムを乗せる乗り心地の良い馬車と、護衛をお願いした。
ミリアムも国内では居心地が悪く、国外ならば、婚前交渉をしたレッテルはない。
それもあり、セルカッツと共に国を出る決意をしたのだ。
ヤーマとセルカッツは宿に向かった。
そこで、本物のアイリーン達と合流した。
アイリーン達はドナルドとミリアムの話を聞いて驚いたが、彼らを祝福した。
アイリーンはドナルドに感謝の言葉を述べ、ドナルドはアイリーンに謝罪と感謝の言葉を述べた。
アイリーンはドナルドに微笑んで、許したことを伝えた。
しかし、ヤーマが次に言った言葉に女性陣の表情が曇る。
「あの、私、アイリーン様と勘違いされていたとはいえ、国王陛下の宣言により、セルカッツ様と結婚してしまいました。魂に刻まれたのです。不束者ですがよろしくお願いします!」
アイリーンを始め、皆「はああああああ!?」と唸るしかなかった。
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