第120話 国境

 マーヤとの話が終わった時に、俺はこの1週間体の確認をしていなかったなと思い出した。


「皆、最近確認してなかったから確認しようか!ネイリスとアルテイシアはしないんだったよな!?ヨルミクルとイザベルはどうするか考えるように」


「あっ・・・セル、私は抜けるわね。王族が殿方に肌を見せるのは初夜の日まで無いから」


 俺の考えを見透かされたこのような回答だった。


「えっ?今までやっていたと思うが?」


「そんなに見たいの?仕方がないわねと言いたいけど、マーヤの体だから良いのよ」


「マーヤは知ってるのか?」


「もちろんよ。と言いたいけど、怒られたわ。殿方に全てを見られたと泣いていたわ。責任を取ってくださいだって!」


「責任と言ってもな。どうすれば良いんだ?」


「ウルナと同じ扱いにしなさい。彼女はそれを求めているわ。私のために仕えるのが定めだから、次に合ったらもう離れられないのよ」


「でも、俺は、お前を・・・愛してしまったんだぞ!」

 

「ならばどうするの?」


 俺はこうするんだ!といって服を剥ぎ取り、見たかったワガママボディーを見てやった!


「隙あり!俺の勝ちだ!」


「分かった!これから初夜なのね!」


 何故か皆裸で祝福され・・・・


「セルカッツ様?大丈夫ですか?」


「あれ?俺は・・・どうしていたんだ?」

 

「良かった。魔力切れで気絶したのよ!」


「あれ?皆服を着たのか?」


「服?もちろん着ているわよ。変な事を聞くのね。それよりもそろそろ朝食を済ませなと門が混むわよ」


 どうやら夢を見たようだ。


 女だらけの中でフェロモンにやられたのだろうか?

 確か夜にマーヤと話をしたけど、途中から記憶がないな。

 お嬢様に負けたとか聞こえたが、それで終わったっけな?


 いかん。ムラムラしているのか?娼館に行く訳にも行かないしな。


 まあ、そんな事があったが、今日は国境を超えなきゃならない。

 領主様には通行許可証を発行してもらったから大丈夫だろう。


 ・

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 拍子抜けするほど何もなく進んでおり、イザベルとヨルミクルの御者で国境を超える。


 馬車は1台で良かったのだが、ダミーで女性特有の荷物を乗せているから2台必要だった。


 もう1つは狙われにくいようにする狙いだ。


 1台の場所は貴族様、もう1台は護衛だと思わせる為にそれっぽい馬車で来ていた。


 取り敢えず4日目は昼過ぎに国境を超え、夕方には国境の次にある宿場町に入った。


 この時はもアイリーンは髪を染め、髪型も後ろで縛っており、メイド服を着せている。

 俺の侍女として旅に同行させている設定だったが、国境警備隊は何も言わず通してくれた!


 ここまでは順調ね!と誰かがフラグを立てたのが心配だ・・・

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