第104話 手紙
俺の左にイザベル、右にタニスが寝ており、朝チュンンのまどろみの中2人も目覚めた。
ずっと俺の腕にしがみついている。
俺は口に出さないが、2人の体温が心地よい。
体も成長しており、理性を保つのが厳しい。
このままだと、お約束の夢精イベントが発生しかねない。
あまり頻繁にウルナを抱くとメイヤ達が悲しむようだが、彼女を愛している。
今晩ウルナと寝よう。
ふと目があったのでイザベルに1つ提案をした。
「なあイザベル、ひとつ提案があるんだ。メイヤ達にしていることだ。彼女達には定期的に筋肉の付き方や関節の柔らかさ、可動域などをチェックして鍛え方や食事の量などを指導や指示をしている。裸になるのと俺が少し触診するから恥ずかしい事を除けば、それが強くなる近道だ。俺もかつて父にされていたんだ」
「強くなれるのでござるか?ならばお願い致したい!・・・でござる」
即決でやるといい、寝起きにタニス共々迷うことなく裸になり俺の前に立つ。
イザベルはタニスを見ながら見様見真似で俺の触診を受ける。
結果左腕の筋肉量が少なくバランスが悪いと判明した。
「かなり鍛えられ、腹筋も割れており見事な肢体だな。大きな胸は張りがあるが、きちんと下着で押さえていないからバタついて動きに影響が出ているはずだ。ブラといって胸を押さえ、場合によっては大きく見せたりする下着だが、なのでそれを至急作らせよう。よし、次は胸を触診するぞ!ギュッと押しつぶすように挟み込むから少し痛いかもしれないが我慢しろよ!・・・うん。しこりなどの病気の気配は無いな・・・」
続いてタニスのチェックをしていると、ドアがノックされた。
「セル様、おはようございます。アルテイシアです。今お時間よろしいでしょうか?」
「構わないぞ!入ってくれ」
来たのでアルテイシアだけのようなので入らせた。
裸の2人を見、俺も上半身裸なのもあって慌てていた。
「ご、ごめんなさい。エッチの最中だと知らずに・・・出直します」
どうやら3人で夜の営みの最中なのだと勘違いしており、顔を真っ赤にしながら部屋を出ようとしたので止める。
「ちょっと待て!誤解しているようだが、アルテイシアが想像したのとは違うぞ!真面目にトレーニングメニューを決めるためのボディーチェックだ。要件は何だった?」
「あっはい!緊急の手紙が届いたのでお持ちしました」
その手紙はダイランド家の執事からだった。
何故か所在が割れているな・・・
そこにはキルカッツが父を殺したことが書かれていた。
火災を引き起こして大変なことになったとの話が書いてあり、手紙を先行して急ぎの便で送った。
父が予め託していた手紙と、執事達は家宝等を持ち出していた。
俺の言いつけに従って避難していた使用人達と一緒に、数日後にここに来るとの内容だ。
俺はその手紙を見て想定外のことに動揺した。
タニスにも読ませる事にし、メイヤとハーニャ、つまりダイランド家の元使用人の3人にも情報共有した・・・
一体何が起こっているんだ?ゲームではなかった内容だ。
いや、父とはゲーム内では二度と会っていない。
単にゲームでは知る事が出来なかっただけで、毎回キルカッツに殺されていたのか?
俺が動揺しているのを見て、3人の顔も曇っていた・・・
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