第103話 イザベルの顔を堪能する
その日の夜、イザベルがタニスに手を引かれながら俺の寝室にやってきた。
「セル様、今晩一緒に寝ても良いかしら?」
「そうだな。最近タニスとは一緒に寝ていないな。いいが襲うなよ?」
「する訳ないでしょ!それよりこの子も一緒で良いかしら?」
「イザベルも一緒に寝たいのか?」
「セルカッツ様さえ迷惑でなければ」
「迷惑なんて思わないぞ。2人はいつの間にそれほど仲が良くなったんだ?」
「お互い身長的に男性を想定した訓練相手に丁度良く、よく手合わせをしているのよ。中々気が合うので話も弾み、1番仲が良いの!」
「うむ。タニス殿は魔法使いなのに強い。私は強い者に興味があるのだ!」
よく分からないが馬が合うのか、いつの間にか仲良くなったらしい。
「流石に兜は外せよ!」
「セル様、少し外します」
タニスは何か用事があるようで、部屋を出ていった。
「顔を見られるのは、は、恥ずかしいのだ・・・」
今の彼女は寝間着に兜と、非常にアンバランスな格好だ。
「君の素顔をまた見たい。今なら俺だけの顔だ。この前見た美しい顔が忘れられない」
もじもじしており、抵抗しないようなので兜に手をかけるも、一瞬体が強張るだけでされるがままだ。
長い銀髪は後ろで結われており、兜を横に置くとそっと抱き寄せ、髪を解く。
すると見事な銀髪の美少女がそこにいた。
ウルナやアルテイシアも美しいが、イザベルの美しさも甲乙付け難い。
顔を真赤にしているのが、それはその美しさを更に際立たせていた。
俺はその姿につい見惚れる。
「そのようにマジマジと見られると、は、恥ずかしいのだ・・・」
「綺麗だ。こんな兜で隠すのはもったいない!俺の妻になってくれ!」
俺はつい口に出してしまった。
それなりにボリュームのある胸の主張もあり、大人びた顔つきも相まって14歳だという事を忘れさせる。
「そ、その、い、いきなりで驚いたのだ・・・こ、婚約者からで、よ、よい?かしら?」
恥ずかしそうにしていてキュンとなってしまったが、やはり俺は一目惚れしている。
俺は思わずギュッと抱きしめた。
先程のは髪を解くためだったが、今のは違う。
「君に惚れてしまった。こんな気持は初めてだ」
ついその顎に手をやり、こちらを向かせた。
うるうるした目がとじら・・・・れない。
しかし、こうなってはやることは1つ。
そのままキスをした。
その、俺の将来の妻にしたく我慢できなかったんだけど、彼女からは力が抜けた感じがする。
初めてのキスであまり長くするのは良くない。
余韻に浸りつつベットに座り、彼女も俺の横に座っている。
流れで肩を抱き寄せ腰に手をやる。
もしもう少し歳が上なら、もう押し倒していると思う。
それでも聞きたかったことを辛うじて聞いた。
「なあイザベル。君の呪いってなんだ?解呪できないのか?」
「そにょ・・・一族に掛けられた呪いなのでしゅ!私は一族の・・・こほん。私は一族の呪いを解きたい。一族の想いを成就させるため、皆の願いを1人で背負って村を出、その手段を探っていたのだ」
「うん。うん。俺に任せろ!いずれその想いを実現してやる!俺について来い!」
イザベルはポロポロと涙を流していた。
そんな折、タニスが戻ってきた。
タニスがカット目を見開いて俺に詰め寄ってきた。
「ち、違うのだ!感動の涙なのだ!」
「あら?てっきり私がいなくなった途端にイザベルを押し倒して泣かせたのだと思ったのに?」
「お前なぁ!俺をなんだと思っているんだよ!こうしてやる!」
タニスの肩を掴み足を払う。
面白いようにベッドに倒れ、俺と目が合う。
すると目を閉じる。
「こら!目を閉じるな!」
「いけず!」
その後俺達は横になるが、2人は俺の腕にしがみついて寝ていくが、暫くの間、俺が添い寝だけで手を出してこないだの、キスしかしなく、胸すら触ってこない!いつになったら娶ってくれるのか!?など、本人を目の前にして、まるで2人しかいないかのように俺への文句を言っていたな・・・
平和な夜だ!まさか翌日・・・あんな事になるとは夢にも思わなかったな・・・
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