第54話 武器別競技祝勝会

「カンパ~イ!」


 ウルナさんが手配してくれた店では、個人戦の祝勝会が行われていた。


 特に奇跡的に決勝に進んだタニスと、ナイフ部門の勝者ネイリスを褒めちぎっていた。


 ウルナさんの所の幼年組も来ていて、ネイリスがチヤホヤされていたが、仲間内からまさかの優勝者!となり皆さんテンションが高かった。


 俺は間違ってアルコール入が来ないかドキドキしながらも、皆と楽しく飲み食いをしていた。

 残念ながら祝われている側は、明日の団体戦予選にも出るのでアルコールは無しだ。


 ただ、ウルナさん達の中で成人組には飲みたい人には飲むように伝えてあり、出来上がってしまった者もいたりした。


 お店はトラブルの元になるので貸し切っていた。


 俺は潤沢な資金を得てホクホク顔だった。

 何せ俺が1位、2位がヨルミクルのオッズは25倍で、そこに1点賭けをしたんだ。

 その額金貨100枚。

 だから金貨2500になる。

 一般人の年収のざっと25倍だ。


 ウルナさん達に作業をお願いしている事業の作業場を下町以外に用意出来る。


 住む所もだ。

 それに金貨1000枚必要な奴隷解放も可能だ。

 本当は直ぐにでも開放を実行したい所なんだが、取り敢えず新人武闘大会が終わってからにするしかない。


 しかし・・・俺の今の状況はどうしてこうなった?と言いたい。


 ヨミクルさんとミジックルの開放を賭けて戦い、勿論勝ったから武闘大会が終わったら彼女は俺の奴隷落ちとなる。


 また、アルテイシアさんは誤解しているとは言え、メイヤ、ハーニャ、タニスの3人を奴隷から解放、又は所有者をアルテイシアさんにするよう難癖をつけられた。

 そして賭けの代償として、俺が勝ったらアルテイシアさん、ナイフ使いの獣人スメイルさん、メイス使いのコルニアさんが俺の奴隷となる。


 俺は絶対に奴隷と性行為はしない。

 どれ程女に飢えようが、滾ってもだ。


 明日は団体戦の予選だ。

 メンバー3人以上5人以下。

 出場資格は武器別部門の予選突破者が1人以上いる事と、武器別部門の予選落ちでも良いが、予選参加者のみ。

 個人で出ていて、ここで知り合った者達と即席パーティーを組む事もありだ。


 ヨルミクルさんには大会が終わった後に奴隷とすると伝えてある。

 また、チャンスを与えた。

 決勝トーナメントの8強に残り、そこで1勝する度に奴隷にするのを1人免除すると。


 何か言いたげだったが、悔しそうに頷いていた。


 決勝終了後、ヨルミクルとミジックルは必死になり団体戦へ出る仲間を探していたな。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る