第二話 シオリとルキナ
けやき通りにある
木で
例のコインランドリーは六本木ヒルズの中を通り抜ければすぐに
今から向かうコインランドリー「勝者の
マンションの新しいオーナーが住民を部屋の
それらしい海外の記事もリンクに貼ってありブログで解説が見受けられたことからこの二つがどうやら有力、と言うよりは
この
少数とはいえリッチピープルに
深呼吸をしてショッピングバッグを肩に掛け直して前を見る。
様子を見ると明らかに学生だ。ブランド物のバッグも持っていない。俺と違って洗濯物も持っていないから例のアイドルのファンか何かで記念にこの場所を訪れているのかもしれない。あのアイドルグループは女性にも人気があるはずだから不審という印象はたった今撤回することにした。コートの方はショートヘアでぽっちゃりとしている。ロングヘアの方は細身でモデル体型だ。
自分と同じく通りに似つかわしくない二人の会話が聞こえてきた。ぽっちゃりした方が泣きじゃくっている。
「まあとりあえずこの先にコインランドリーがあるからさ。そこで最後の時間を過ごそうよ。別にルキナが普通の女の子でもいいよ。ホストクラブにハマらないでね。まだ大学生だからあんな高い店は無理だよ」
ルキナと呼ばれる女がぽっちゃりした女に肩をかけた。
「いや大丈夫。でもシオリって本当にレズビアンなんだ。だってそういうさあ。
「まあね、ある
「いや、だからさあ
「うん、でも本能的に理解しているの」
「まあね、シオリは
シオリは急に声を低くして答えた。
「ケジメをつけないといけないから。詳しい事はコインランドリーで話す」
ルキナの
「マジか」
急に
公園に入ってしまえば上り道はない。俺はショッピングバッグを肩に整えて。
前を歩く二人の真後ろのポジションを避けた。
ルキナと呼ばれている女はスカート姿なので後に続く俺は
十回通ったらもう二度とこの街にはこないだろう。彼女たちもゲーマーなのだろうか。シオリちゃんがコインランドリーで
俺は今、コインランドリー「勝者の洗濯」について現実の人間と
破局した後のカップルに「今から利用するコインランドリーをどこで知ったのですか?」などと聞けるはずがない。坂を登る苦行にサブクエスト(メインシナリオとは関係のないオマケ)が発生したら過酷さが極まるに違いない。素通りしてしまおう。後ろを歩いているのだけど。
公園の出入り口に辿りついた。その時上半身裸のガテン系の男が前を通り過ぎた。サンタクロースみたいに大袋を背中にからっている。先ほどのシオリとルキナは左に進んで二十メートルほど先を歩いている。
早歩きのガテン系の男が背中にからったバッグの中からトレーナーがはみ出している。この男もコインランドリーを使うようだ。
ゾッとするほど高級な
前の二人がマンションの前で曲がって姿が見えなくなった。ガテン系の男も
店が見えた。マンションは十階建てだろうか。
店はコンビニのような明かりが路地に通っていない。多分、地域に
四十センチほどの厚さの茶色のボードがコインランドリーの前に
完全な
入口の自動ドアの前のガラスにはポスターやチラシはなく。ガラス戸を挟んで中の料金プランを選ぶタッチパネルのついた
シオリとルキナが休憩にこの場所を使うことは珍しいことではないのかもしれない。もうすでに口コミが広がっている可能性だってある。
このコインランドリーの
ワイファイも高速のものが設置されているようで快適なインターネット環境が保証されている。右の壁側にはよくわからない言葉の
コンビニより一回り広い店には八台の洗濯機が向かって左と奥に四台ずつ配置されている仕様で新しいタイプのコインランドリーであることは間違いない。
天井まで
俺はスマホを取り出してバーコードを画面に出してから入口の前に置いてある順番待ち台に乗せられた料金メニューを
俺の席はいつも
先ほどのガテン系の男はまだ料金所の前でボタンを押している。
「八千円かよ!高いな。まあ三回無料だからいいか。見た感じネカフェみたいな感じだな。悪くない」
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