(二)-7
鎌取鋭太は、美術室で絵を描いているときにやってきた大貫エミに小声で廊下に呼び出された。
その小さな声で、しかも控えめな表現での告白は、エミの体の中にこれまでにない恥ずかしさと熱を呼び起こし、小さな顔を真っ赤にさせた。その上、普段は走ることなど全くないにもかかわらず、すぐにでも走り出したい衝動をエミの心の中に喚起させた。
そのとき、エミのうつむき顔は長い前髪のせいで、鋭太の目線の角度からではほとんど確認することはできなかったものの、鋭太にはピンときて、エミの中で起きている心の変化を瞬時に悟ることができた。
(続く)
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