ソースコード

あなたはブログラムというのを見たことがあるだろうか?




わたしの職種はひとりきりの社内SE、いわゆる『1人情シス』なのだ。




わたしは某サービス企業の総務課で働いている。




我が社は少し特殊な業態で、模範となるパッケージソフトが存在しない。




パッケージソフトというのは、業態毎に汎用的に作られたブログラムの集まりで、購入してそのまま導入すれば、それなりにその業態の業務に合わせて使えるようになるという、便利なものである。




もっとも、そのまま導入して使う会社も珍しいのでは、あるのだが。




パッケージソフトというのは、その業態でいち早くシステムを構築した大手企業の仕組みを模倣していることが多いため、中小企業ではそのままパッケージソフトに自社の業務を合わせたほうが、効率が良いはずなのだが、そうはならない。




何故ならば、それぞれの企業には、独自のポリシーがあるからだ。




それは盲信的な社長の経営方針であったり、お局様の揺るぎない信念であったりするのだが、一先ずそれは置いておこう。




とにかく、パッケージソフトはカストマイズと呼ばれる理不尽な改悪を受けることになるのだ。




だが、それでもパッケージソフトがある業態は僥倖である。




どれだけ理不尽なカストマイズが入ろうが、根底にある仕様は変わることが無いのだから。




だが、残念ながら我が社が属する業態には、パッケージソフトが存在しないのである。




つまり、1から作るか、今あるブログラムを修正しまくるしかないのだ。




こうした会社に、『1人情シス』として中途入社したSEは苦難の道を歩むことになる。




かくいうわたしも、その悪路を歩いている1人なのだ。




代々の先輩諸氏の苦難の跡が残る複雑怪奇なブログラム・ロジックの数々。




明らかに動いているブログラムの数倍はあるソースコードの多さよ。




『リテラル』定数が散在し、否定を否定するif文の大きなうねり。




どれが正しいのか判断不能。正しく動いているのかも不明。




いや、そもそも正常な動作が何なのかすら、分からない。




仕様書なんて残っていれば奇跡。




それが、正しいかは別問題なのだが。







それでも毎日のように修正依頼が舞い込む日々。




いろんな意味で、




「あー--ぐちゃぐちゃだ!」

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