桜庭学園歓迎会

 Side 桜木 トモカ


【昼・竹宮高校体育館】


 色々とありましたが一先ず皆さん無事に竹宮高校に辿り着く事が出来ました。

 竹宮高校の体育館を貸切っての歓迎お食事会です。

 吹奏楽部などが音楽を演奏したりしてくれました。

 

 それから交流会です。


 アンナちゃんは主に竹宮高校の整備班の人達と色々と盛り上がっているようだ。

 ヨツバ会長は豊穣院さんと何やら話し込んでいる。

 

 私はと言うと――


「ふーん、そっちも大変なのね」


「ええ。もっと物資が欲しいんですけどね……」


「上の方で差し止められてるんでしょうね、きっと」


 手毬 サエさんと話し込んでいました。

 隊長格同士、話が合う事も多く、色んな事を話し合ったりしていました。

 

「やはり私達反乱を起こすと思われてるんでしょうか?」


「正規軍の一部が野盗化しているようなご時世よ。噂じゃヴァイスハイト帝国の脱走兵も野盗化しているって聞くわ」


「マシーネンだけでなく人間相手にも――物騒な世の中ですね」


「まったくね。人類共通の敵が出来ても人類は一致団結できないみたい」


 手毬さんの皮肉は心に響いた。

 現実はそうだが悲しいと思う。

 

「言い出しっぺの私が言うのも何だけど辛気臭い話はやめにして――とりあえず私達竹宮高校としては比良坂学園、大阪日本橋以外にも様々な勢力と協定を結んで勢力を拡大していこうと考えてるわ」


「勢力を拡大ですか?」


「ええそうよ。だけど誰彼構わずってワケでもないわ」


「私達はそのお眼鏡に叶ったと?」


「そう言う事ね。他にも幾つかリストアップしているわ。ちなみに比良坂学園も日本橋も同じ考えよ。首都圏の方にも現状を危機感を持って動いている人がいるみたい」


「独自にそこまで動くなんて凄いですね」

 

 とてもじゃないが私には真似できないと思った。


「ここまで好き放題に出来るのは豊穣院さんや谷村さん、長谷川さんや欧州の財団とかの御陰ね。貴方も出来る範囲で独自に力をつけていって貰いたいの」


「わ、私達にもですか?」


 突然の提案に私は驚いた。

 正直そんな事出来っこない。

 そう思った。

 にも関わらず手毬さんはこう続ける。


「だから深く考えないの。とりあえず近所付き合い大切にするぐらいの感覚でいいと思うわ」


「そ、そんな感じでいいんですか?」


「いきなりアレコレやるのは流石に無茶よ。だからそれぐらいの心構えの方がいいと思うし、そっちの方が気が楽でしょ?」


「ええ、まあ……」


 ふと私はある事に疑問を抱いた。

 今の話には直接関係ない事だ。


「そう言えば木里さんは?」


「私に気を遣ってるのよ。仲良さげに桜庭高校の子と話しているけど一定の距離は保っているんでしょうね」


「そうなんですか?」


 遠目から見てそんな事も分かるのだろうかと私は感心してしまう。

 

「幼馴染だからと言うのもあるし、本音でぶつかり合った事もある仲だし、一緒に戦果を潜り抜けたパートナーだからね」


「そ、そう――」


 そう言う相手がいる手毬さんが羨ましく感じてしまう。

 何だろうこの気持ち。

 私も恋愛とかそう言うのに興味があるのかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

少年少女の地球防衛戦記 MrR @mrr

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ