竹宮高校の実力
Side 桜木 トモカ
【昼近く・竹宮高校戦闘区域・ショッピングモール廃墟駐車場】
トレーラーや指揮車両を逃がすような形で竹宮高校に退避する私達。
私もパワーローダーを身に纏い出撃する。
既に竹宮高校側も出撃してくれている。
敵は兵士型、重兵士型、戦車型、ヘリ型などだ。
特に厄介なのは戦車型とヘリ型だ。
戦車型は人類サイドの最新鋭戦車を上回る程の性能を持っているし、ヘリ型も装甲や火力が高くタフだ。
迂闊に近寄れない。
戦車型やヘリ型の火力支援を受けて兵士型や重兵士型などが肉薄し、白兵戦に突入している子達もいる。
『お待たせしました!!』
『竹宮高校から派遣されました! 泉 ツカサです!』
『牛島 ミクです!』
一体のパワーローダーとネイキッド型のパワーローダーを中心とした部隊がやって来た。
続いて――
『竹宮高校チーム、豊穣院 ミホです。戦闘エリアを脱出した部隊はすぐさま学園に向かわせてください。そこには防衛部隊が配置されています』
と、通信が入る。
一気に形成が逆転した感じだ。
自分達同様、長く戦っているだけあって本当に同じ学生なのかと思えるぐらいに秩序だった動きで次々と敵を撃破していく。
厄介な戦車型、戦闘ヘリ型も機動力で翻弄し、そして他の隊員がトドメを刺すと言う連係プレイを披露していた。
エース部隊と言うのは伊達ではないようだ。
☆
『とんだ交流会になったな』
「そうね――何となくこんな風になる予感はしていたけど」
パワーローダー、零戦二型とネイキッドローダー、桜花を身に纏った小学生高学年ぐらいの長い茶髪の少女が現れる。
『俺の名は木里 翔太郎』
「手毬 サエよ」
そう名乗られ、私は『桜木 トモカです! 桜庭学園の部隊の指揮官を務めていて合同訓練チームの隊長を務めています!』と緊張気味に言う。
木里 翔太郎と手毬 サエ。
竹宮高校のチームを語る上で外せない程のビッグネームだ。
隣にいたアンナちゃんは感激していた様子だったがふとある事を尋ねた。
『あれ? 木里さんはアインブラッドじゃないんですね?』
『ああ。戦争を乗り越えた後にマシ―ネンが襲来して、そのまま戦い続けて――今はオーバーホール中だ。他の皆も大体そんな感じだぞ』
『そ、そうなんですか……』
と、アンナちゃんはショックだった様子だ。
前も語った通りアンナちゃんはパワーローダーが大好きな女子なのだ。
この目で噂のアインブラッドを見れなくてショックだったのだろう。
『あ~ともかくアレだ。これ以上援軍が出る前に竹宮高校に向かって欲しいんだが』
『は、はい』
木里さんの言う通りここは敵の勢力圏内でもあるのだ。
ここでボサっと突っ立て会話を続けるのは流石に不味い。
アンナちゃんも分かっているのかションボリした様子ながら後をついて来てくれました。
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