桜庭学園

 Side 桜木 トモカ


 私は桜木 トモカ。


 今年で17歳。


 私は戦争で生き抜くために、軍用パワードスーツ、パワーローダーで皆と一緒に敵兵を大勢殺しました。


 そんな日々が変わったのは奴達――機械生命体、マシ―ネンが襲来してからでした。


 正直、相手が人からマシ―ネンに変わっただけで気持ちが少し楽になっただけ。

 

 マシーネンとの何時終わるともしれない消耗戦を行う日々を送っています。



【朝・竹宮高校担当区域・桜庭学園所有トレーラー内】


 今日は合同訓練の日。

 パワーローダー運搬用の大型トレーラーに物資を載せた車両が並びます。


「いやーまさか竹宮高校に行く事になるなんて想像も出来ませんでしたね。アインブラッド見れるかな?」


 と、黒髪の少女。

 元気が取り柄の女の子。

 そしてパワーローダーが大好きな女の子。

 園崎 アンナちゃんが目を輝かせながらいいました。


(アインブラッドかぁ……)


 アインブラッド。

 日本を救った救世主。

 最強のパワーローダーの称号。

 戦場の神話。

 あまりにも戦果が非現実的なために軍部の誇張だとも言われているが超高性能機には変わりない。


「各隊、周辺に異常はない?」


 意識を周辺の索敵にむける。


 マシーネンは神出鬼没でヴァイスハイト帝国よりも厄介だ。

 

 そのためにより良い装備が欲しいのだが――噂では首都の人間達はより強い軍備、装備をマシ―ネン対策のために色々と理由をつけて溜め込んでいると言う。

 この話は公然の事実として知られており、反政府組織や武装勢力の跳梁を招く要因の一つとなっている。


「各隊ともに異常なしみたいですね」


 と、アンナちゃんが報告を纏める。


「念のため警戒は厳に。広いスペースを確保出来たらそこで一旦休憩し、監視要員を交代します」


 私はそう指示を飛ばします。



【昼近く・竹宮高校戦闘区域・ショッピングモール廃墟駐車場】


 私達は一旦ショッピングモールの広い駐車場にトレーラーを侵入させ、そこで休憩と同時に監視要員を交代します。


「いやー順調だね」


 と、指揮車両から小柄の茶髪のツインテールの女の子、悪戯っぽい笑みが似合う生徒会長の安条 ヨツバが車両の外に出ていた。

 

「このまま何事もなければいいんですけど」


「いや~トモっちの言う通りだね。ここでの休憩が済んだら一気に竹宮高校に行く感じだね」


「念のため、案内を要請しています」


「おー抜け目ないねトモッちは」


 案内要請したのは万が一を想定したからだ。

 戦力は多い方がいいし、竹宮高校の人ならこの辺りの地の利も知っているだろう。

 考えたくはないが撤退の選択肢を取る時も有利に働く。

 

 此方の戦力――桜庭学園で使われているパワーローダーは基本日本製の汎用機、零戦二型や後方支援の砲撃機、富嶽の二機種。


 主武装はビームライフルやレールガン、ビームサーベル。


 さらに体系の合わない子達のためにメカ娘のような装備のネイキッドパワーローダー、桜花も配備されている。


 ヨツバ会長の言う通り何もなければいいのだが、万が一に備えるのも仕事なのだ。


「本当に何事もなければいいんだけどね」


「そうですね――」


 ヨツバ会長は一件楽観的に見えるが、周囲を警戒してくれている。

 だがどうにも不安になってしまう。 


「大変です!! マシ―ネンの転移反応!! このすぐ近くです!!」


 そう考えたところで警報が発令。

 生徒の一人が報せに来る。

 私達はただちに戦闘態勢に入った。 

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