08 本編時間軸突入
蒼葉を
時は早いもので、わたしたちは高校生になった。
今日が、入学式だと思うと感慨深い。
これまで色々と働きかけてきたが、折れたフラグもあれば折れなかったフラグもあったなぁ……
学校の近くの桜並木を歩きながら、折れたであろうフラグを振り返る。
1.紅楳深紅のレ○プによる処女喪失=死のイベント
青森旅行でたっくんに夜這いをかけられ、合意の上で初めてを失った。
わたしたちは旅行でそんなことをするつもりはなかったが、その場のノリというのは恐ろしい。
避妊具を用意していなかったにも関わらず最後までしてしまった。
痛いのは初めだけで、徐々に気持ちよくなり最後は頭が真っ白で。
おかげで、歯止めが効かなくなってしまった。
翌日産婦人科に行ったので事なきを得たが、妊娠をしていたらと思うと冷や汗がでた。世間体を考えなければ幸せなエンドなんだけど、中卒で孕みましたは親の管理まで問われて紅楳グループそのものまで傾きかねない不祥事だ。
後日、お互いに反省して半年間は坊主とオカッパ頭で過ごした。
早乙女さんの配慮により、互いの両親にはこのことは伝わっていない。
ただ、わたしの母親だけはすぐに感づいたが。
ニヤニヤしながら「認めたくないものだな、若さ故の過ちというものは」とか、わたしの耳元で呟いていくんだから。
そんな煽りをいれてくる母に「そんな大人修正してやる」と言ってやったらものすごく動揺して、その場でズッコケたのには思わず笑ってしまった。
「私は完全に脱オタしたの! 洗脳しようとしたってダメだから!」
この日、ものすごいどうでも良い理由で、初めて母親にキレられたので印象深い。
父さんも懐が深いから、オタク趣味でも何も言わないと思うけどなぁ。
今は、徐々に母親を洗脳するために
すると「あの人と共通の話題になるから」という理由で母も合法的に漫画を読むというシステムが構築されるのだ。そして毎回父以上にハマる。チョロいですわー。
2.蒼葉の霊力覚醒イベント
恐山での修行により、見事に蒼葉の才能は開花した。
ゲームで彼女が能力に目覚める切っ掛けは”紅楳深紅の死”という精神的な要因であるが、才能自体は本人が秘めているものという設定だ。
切っ掛けがあれば開花すると思っていたが……上手くいったようだ。
イタコさんに気に入られ、3日間の予定だった修行を夏期休暇をフルに修行に使うことになったのが蒼葉らしい。
”おばあちゃん”、”アオちゃん”と呼び合っており、本当の孫と祖父母の関係に見える程で迎えに行ったときには驚いた。
ただ、修行の時は仲の良いおばあちゃんでも修羅になるそうだ。
何度も死にかけて三途の川を渡りそうになった話を、長々と聞かされた。
だが、修行のお陰で蒼葉の能力は大幅強化された。
『妖怪憑きと王子様』とは違う方向に才能が伸びたのは予想外でしかなかったが。
蒼葉は”松根さん”という天正期に生まれた弓の名手と契約をしたと言っていたが、おそらく本多忠勝(有名な戦国武将)の娘、稲姫ではないかとわたしは睨んでいる。
それと、ジャンガリアンハムスターの”小梅ちゃん”とも契約済しているそうだ。
生前は蒼咲邸のペットとして、蒼葉を初めとする家族に可愛がられていたが――亡くなった後も、青葉の周りをウロチョロして
口寄せするとどうなるか聞いたのだが、蒼葉は顔を赤くして首をぶんぶん振るだけだった。気になる。
真名は蒼葉も知らない。ハムスターの両親に名付けてもらった名前があるらしい。
――ともかく、これだけ強化されていれば妖怪と対峙した時も蹴散らせるであろう。
軽く憑依状態をみせてもらったが、特殊な訓練を受けている
生者に取り憑いている妖怪や、ち○こに似た形状をしている触手にレ○プされる未来はなさそうで安心である。
3.ゲームにおける攻略対象との交際
蒼葉と弟が正式に結婚を前提とした男女交際を始めた。
これで蒼葉とゲームキャラとの交際が始まることはないだろう。
以前に「
わたしもたっくんに「ファファファ、これはファーストキスなんだから!」と偽りの真実を語ったのだから、何も言えない身分である。
――ともかく、仲が良いのは素晴らしいことだ。
末永く幸せな関係が続いて欲しい。
「深紅ちゃんの初体験が中学2年生だから、緋色くんがその年齢になったら、あの。その、私も……頑張って、もっと仲良くなるから!」
と言っていたので、今年の夏が楽しみである。
蒼葉、高校1年生。弟、中学2年生で、当時のたっくんとわたしの年齢になるし。
わたしが初体験の思い出をそれはもうロマンチックに何度も何度も語ったため、蒼葉はセッ○スに過剰な期待を抱いている節がある。
期待値を上げすぎて弟がしんどいと思うので、5月の誕生日にはセッ○ス入門の映像ディスクをプレゼントしよう。予習は大切だ。
今回が、弟を性的な意味でからかう最後の機会だろうし。本腰を入れないと。
プリカでは年齢認証が出来ずに買えないので、購入は18歳になったたっくんのクレカを使わせてもらおうと思う。
以上。
総合すれば、わたしの死亡フラグはもう完全に折れているんじゃない? という感じ。
しかし、折れなかったフラグに嫌な予感が集約されるのもまた事実。
――私立紅楳高等学校。
わたしの父親が理事長を務める高校に、結局通うことになってしまったのだ。
----SHINKU MEMO-----
わたし、卒業したらたっくんと同じ大学に行くんだ……
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