第32話 スプーンの勇者と魔王



「リースリングよどう思う?」



「そうですね、まだ断言はできないのですが、今の状況ではグリシュ王国が関係している可能性は高いですわね」



「もしグリシュ王国の人間が関与しているのだとしたら我が魔族にも手を出している以上タダでは済ますことはできんな、ただ目をくり抜く理由なんなのだ、」



ん?なんか不穏な空気?



「あ、あのー、、」



「あぁ竜太郎、特訓は少しの間中止だ、すまないな」


いえ!むしろ大歓迎です!


とは言えず


「いえいえ、そんなこんな大事な時に僕の特訓に付き合ってもらうわけにわ!」



ヘコヘコとゴマスリをしていると

ふとリースリングと目が合う


ニコッと何かを察したかのように

頷いてくれた、


ああこの人は女神様だ


魔王軍幹部だけど。



「ではリースリング他の六天王達を呼び戻してくれ、急ぎ会合を始める、竜太郎お前は少し休め」



「イエッサー!」



ブルゴーニュはそう言い放ち部屋を後にする

拷問から解放された俺は

ソファーに座り込みここに来てからのことを思い出す



この世界に連れてこられて

まだそこまで日は立っていないが

今思えば、なんだかんだ

俺は運が良かったのかもしれない



あの時ブルゴーニュに連れてこられなければあのまま森でのたれ死んでた可能性もある、、最初は魔王軍と言う事もあって

悪魔の巣窟に連れてこられた気分だったが、なんだかんだ漫画などで見る魔王軍とは印象が違い、何故か皆よくしてくれる



「ふぅー」



とりあえずする事もないので

時が流れていくのをボーっとして

過ごしていた。








2時間後







会合を終えたブルゴーニュが

部屋に戻ってきた



「竜太郎お前はしばらくメルローに世話になれ」



「え?何かあったんですか??」



「いや、、とりあえず私はしばらくの間やる事ができた、この者にメルローの元に案内させる、指示に従いついていけ」



ブルゴーニュはそう言うと後ろに立っていた兵士に案内してやれと指示をし

俺はその兵士の案内の元六天王の1人

メルローの元へと向かう





--------------------





---------------





----------






「こんにちは竜太郎さん、お話は伺っておりますよ」



ニコニコと話しかけてくる片眼鏡の男性



「よ、よろしくお願いします!」



「そうかたくならなくていいですよ?」



そう言うとメルローはふふっと笑をこぼす

六天王の中でもリースリングと並ぶ

優しい魔族だ



「ではこれから竜太郎さんが過ごす寝室にご案内しますので、着いてきてください」



メルローに案内され用意された自室へと向かう、



「あの、メルローさんさっきの会合ってどうなったんですか?ちょっと気になって、、」



「ええ、、隠してもいずれわかる事なのでお話すると、おそらくこのままいくとグリシュ王国とは戦争になるかと思います」



「え!?戦争ですか!?」



「先程の会合中に新たな情報が入ってきましてね、どうやら今回の事と過去、我が魔族に被害者が出た件ですが手口が完全に一致してまして、その犯人らしき人物がグリシュ王国に何度か出入りしているらしいとの情報が入ってきまして」



「そんなー、、じゃあもう戦争はほぼ確定ですか、??」



「確定ではありませんが、あちらの出方次第では、と言う事になりますね、竜太郎さんは心配しないでください、敵地に送り込まれるような事はありませんので」



ニコッとメルローは笑いかけてくれたが

心配でしかない、、、



前言撤回


ここにこれてよかったかもなんて

ちょっとでも思ったが



「散々だよ~、、、」





泣きそう



「では竜太郎さんは用意が終わり次第、特訓に取り掛かりましょうか、一応魔王様からの言伝で竜太郎を強くしろ!と命を受けておりますので」



、、、、、




「はい」





そうして俺は半強制に

訓練場へと駆り出される







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る