第31話 スプーンの勇者と魔王







時を同じくして







---竜太郎side---





魔王城




「ひい!ひー!」



俺は魔王城にて特訓と言うなの

ほぼ拷問を受けていた



「あ、あの魔王様!!もう勘弁してくださいー!!」



魔王

ブルゴーニュ



現在竜太郎がいる魔王城の主人にして

魔族の頂点に立つものである



「ええい!やかましい!貴様それでも転生者か!」



「だって!だって!」



「ブルゴーニュ様?それぐらいにしてあげてはどうです?彼本当に死んでしまいますよ?」



魔王からの特訓(イジメ)を仲裁に入ったのは

魔王軍六天王の一人、リースリング





魔王軍には六天王と呼ばれ

6人の王と称される魔族が存在する



リースリング 女性

現在仲裁をしてくれている

気品あふれる魔族



ソーヴィニヨン 男性

クールな印象

スラッとしたモデルのような魔族



シャルドネ 女性

明るく活発的な見た目は10代程の魔族



カベルネ 男性

ダンディーなおじさん魔族



メルロー 男性

人(魔族)当たりのいい優しい男性

片眼鏡が特徴




ピノ 女性

六天王最強と称される魔族



そして

魔王 ブルゴーニュ 女性

その六天王達を束ねる

全ての魔族の頂点に立つ者

この世界に来てから戦闘訓練と称して

俺の事をいじめる、いじめっ子魔王






魔族と人族の違いは

魔族には頭にサイズの違いはあれどう

角が生えている




他にも人間族と魔族以外の色々な種族がいるらしいが数はかなり少ないらしい




「リースリングよ、あまり竜太郎を甘やかすでないぞ、」



「ふふ、ブルゴーニュ様は竜太郎様に妙に肩入れなさりますね」



「転生者を鍛える機会などそうないからな、それに竜太郎は割と筋がいい」



俺は必死にブルゴーニュの攻撃を避けながら本気で勘弁してくれとしか考えれなかった



その時ブルゴーニュの放った魔弾が

目前に迫る



「くっそー!!スプーン!」



ぐいん



俺は能力により魔弾をかき消す



ここ数日で俺の能力についてわかった事がある



[かたいものをすくえる]の定義は

様々あるようで



俺が今魔弾をかき消したのは

魔力が魔弾として変化する

すなわち

化体(形を変え他のものになる)したものをすくったという様な認識でいている



おそらくだが、、、



最初は完全おふざけスキルだと思ったが

認識を変える事で少しは役立つ能力だと

わかった



それでもまともに戦える様な能力では

ないのだが、、、



用途について判明したのは

まだ俺が魔王城に来てすぐの事だった



あの時俺は半ば無理やり連れてこられた事で半分不貞腐れて魔王城の

一室の隅の方で部屋の床をスプーンで

すくっていた



ぷるん


ぷるん



硬いものをすくう感覚が

妙に不思議で心地よく何も考えずに


ぷるんぷるんしていたのだ



その場面をブルゴーニュに

見つかりフルボッコにされたわけなのだが

その時ブルゴーニュが放った魔弾を

スプーンを振り回して抵抗している最中にたまたまあたりかき消す事に成功した



そして現在に至るのだ



「ほう、、竜太郎やるな、全く本気ではないとはいえ私の攻撃をそうも容易くかき消すとは」



「違う違う!」



ブルゴーニュは何故か俺が力を隠していると錯覚しているらしい



綺麗で聡明そうな見た目とは裏腹に

賢くはないのか??



「ブルゴーニュ様、少しよろしいでしょうか?」



その時兵士が部屋に入ってくる




「どうした?」




「数日前奴隷商会の男との連絡が途絶えた件で調べたところ、死亡が確認されたとの事です。」



その報告を受けたブルゴーニュは

俺への攻撃をやめ、兵士の方を向くと

真剣な顔つきになる



「ふむ、下衆な男ではあったが使える男ではあったのだがな」



「そこから調査をしたところ奴隷商会は殆どの支部をグリシュ王国により壊滅させられた様なのですが一点不可解な点がございまして」



「奴隷商会の壊滅などはどうでもよい、もし奴らが魔族にも手を出そうものならわたし自ら壊滅させてたところだ、そこには手を出していなかったから使ってやってただけの事、それで不可解な点とはなんだ?」



そう言うところはドライなんだよな、

ブルゴーニュは想像していた魔王とは違い、魔族に対しては思いやりのある魔王だった、人族に対しては一切の関心はないようだが一応俺もこの世界で言う人族になるんだけどな、、、



「見るも無惨な状態で発見されまして、」



「グリシュ王国の王軍にやられたのではないのか?」



「それが片目をくり抜かれた状態だったのですが、これは以前我が魔王軍の兵士がやられた際にも同じ状態で発見され、その件ととても類似しているかと、、」



「、、、、、」



ブルゴーニュは何かを考えるかのように

無言で顎に手を置く



その時今まで傍観していたリースリングが口を開く



「あの会長の男性との取引内容は魔族には一切手を出さず人族の情報を提供する代わりに魔族領土の一部への出入りを許可するでしたわよね?」



兵士の男に問いかける



「はい、そうです!」



「あの男性から得た情報も元に魔族領土への出入りの際などにも接触した者を洗い出す事はできないのかしら?」



「実は奴から聞いていた奴隷商会のメンバーの生き残りなどを探しあたってみたのですが、、やはり手口などからグリシュ王国の人間が関与している可能性が大きいかと」



「そう、、グリシュ王国が関係している可能性は捨てきれませんわね、、では引き続きお願いしますわ」



「はっ!!」




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