第30話 旅立ち3
「確かにこの国には能力持ちのお前の仲間もいる、だがお前の能力は闇の力に近いものを感じる、湯の国に来た方がもしかしたら能力を制御する近道になる可能性が高い」
確かに俺の力は今不安定な部分が多すぎる
「けど、それなら海はどうしたらええんや、あいつも俺と一緒にまだこの世界にきて間もない、あいつも能力を使いこなせてないし、裕太や健太さんがいるとはいえ、、、それなら海も一緒に!」
「それは残念ながらできない」
「なんでや!ほんならなんで俺だけなんや!」
「理由としては二つ、目の前でお前のあの力を見たからこそだ、俺はその能力に似た能力に少し心当たりがある、もう一つはあの海と言うものも連れていくとなるとまだ能力が全く使えず殆ど戦闘はできないとの情報を得ている、湯の国に戻るまでの道中で何があるかわからない状態ではあまりにも危険が多すぎる、つかさ一人ならまだしも、お前たち二人を守りながら国に戻れると言う確約ができない」
確かに悔しいが、今の俺の力では何かあったときに海を守れる確証がない
「ちょっと一日考えさせてくれ」
「悪いがそれはできない、この場で決めてもらう事になる、俺としてはお前が能力に飲まれ闇側の人間になる前に無理矢理にでも連れて行きたい所だが、どうしても残ると言うなら記憶を消す必要がある」
「俺は、、、、」
---海side---
城に戻ってきた俺は自分達の寝室にいた
その時ドアがノックされる
コンコン
「海、入るよ!」
ノックの主は裕太だった
「今日は登校初日だってのに災難だったね、僕も一緒にいれればよかったんだけどごめんね、、」
「そんなん裕太が謝る事じゃないやろ、まぁよかったよ!つかさも無事そうやったし」
「ほんとよかったよ、、僕もさっき学園に行って[助言者]で情報を集めてみたんだけど、その妙な気配ってもしかしてつかさの能力だったりしないかな?訓練場でつかさの能力の残り香のようなものを感じたんだよ」
「、、、どうなんやろうな、初めて城の訓練場でつかさの能力を見た時に感じたのとは違う、もっと禍々しいものを感じたからな」
「まぁそれに関しては外部からの攻撃も加味してもっと詳しく調べてみるよ、明日は休校だから海はゆっくり休んでね!」
裕太はそう言うと部屋を出ていった
それから俺は適当に時間を潰し、
つかさの帰りを待とうとしたが、
今日の出来事からの疲れからか早めに
眠りについた
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翌朝
目が覚めるとそこには
つかさの姿はなかった
代わりに一通の手紙が置かれていた。
海へ
昨日は心配かけたらしいな
すまんな!
後もう一つ謝る事がある
俺はこの国を出ようと思う。
今は詳しい事情は話されへん
けど信じて欲しい事が一つある
俺は絶対にまた戻ってくる
お前らを見捨てるわけでも逃げるわけでもない
お前らは俺の家族やからな
またすぐに会おう
ほなな!
つかさ
「なんだよこれ、、、」
俺は急いで寝室を飛び出し裕太の元に向かう
バン!
裕太の部屋を勢いよく開けると
裕太は部屋着でベットに座っていた
「おはよう海、気づいたんだね」
「気づいたってつかさの事か!?知ってたんか!?」
「、、、あぁ昨日僕のところに来てね」
「つかさはどこいったんや!?!」
「落ち着いて海、行き先までは僕も知らないんだ、僕の能力でもわからない、ただ俺の事を信じてくれって、、」
「なんで止めへんかったんや!!そんなん、、俺になんも言わずに、、」
つかさは無言でうつむく
「なんやねん、、、なんで俺になんの相談もなく、、、」
「海、、、」
俺は勢いよく裕太の部屋を出る
「海!どこいくの!?」
「つかさを探しにいく!」
「なんのあてもないのにそんなの無理だよ!!」
「なんでお前はそんな平然としてられんねん!もしかしたら一人で危険な場所にいこうとしてるかもしれんのやぞ!!」
「海!!」
「!?」
珍しく裕太が感情をあらわにする
「つかさの事少しは信じなよ!つかさは言ったんだよ海の事を頼むって、もしかしたら俺の事を探すって言い出すかもしれないからそん時は止めてくれって、詳しいことは話せないけど今は俺の事を信じて待っててくれって、僕だって最初は止めたよ!けどつかさの本気が伝わったんだ、僕はつかさを信じる事にした」
「、、、、、くっそ、」
「ごめん、、強く言いすぎた、けど大丈夫、つかさの事を信じよう」
俺はそれ以上何も言えなかった
「今日は昨日の件の調査が終わり次第非番だから一緒に食事でもしよう」
「ああ」
俺はそれ以上何も言う事なく自分の部屋へと向かった。
---裕太side---
海にはつかさの行き先がわからないと言ったが本当は知っている
昨日の夜つかさは僕の自室に来て
あらかたの説明をした
詳しい事は話せないが
自分の能力を制御する方法が
見つかりそうだと
その為に湯の国に行くとの事
最初は僕も止めたが
俺を信じろの一点張り
最終的には僕が折れた
「海の事頼んだで、あと健太さんにもよろしく言うといてくれ!」
そう言ってつかさは出ていった
事件性をなくす為、王にも事情を説明し、
渋々だが無理に行動を縛る事はできないと了承してくれた、
湯の国は敵国ではないが
友好国ではない為、
不干渉条約の元、護衛などは
つける事はできないとの事ではあったが
今朝つかさと一緒にリョウ君も
行方をくらませたとの情報が入ってきた
リョウ君に関しての話しは
つかさから聞いてはいないが
おそらく行動を共にしているのだろう。
「つかさ、僕は君を信じるよ」
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