第29話 旅立ち2



ガラガラ



「失礼します」



医務室の扉を開け部屋に入ると

医務室の先生と

まだ眠っているリョウとつかさの

姿があった



「あの、二人の容体はどうですか?」



「あら?あなた転校生の、大丈夫よ、怪我も適切な治療をされてて対した事はないから心配いらないわ、一応念の為まだ目を覚ますまでここで休んでいてもらおうと思ってるけど」



「そうですか、よかった、、」



「それに今この学園は警備が強化されてるし、外部からの攻撃の可能性があるらしいけど、しっかりと警護されてるから大丈夫よ、あなたは帰って今日はゆっくりしなさい」



「わかりました、よろしくお願いします。」



本当に何事もなくてよかった、



俺は医務室を後にし校門に向かった。











---つかさside---




意識を失ってからどれぐらい経っただろう



目を覚ますとそこは白い天井の

ベットの上だった



「やっと目を覚ましたか」



「!?」



声をかけられた方を見ると

そこには自分と同じようにベットに

横になっているリョウの姿があった



「どうやら俺たちはあの後相打ちで意識を失い医務室に運び込まれたらしいな」



「お前!」



俺が戦闘態勢に入ろうとすると

リョウがそれを制止する



「まぁ待て、お前は一つ勘違いをしている」



「勘違いやと?」



「俺はお前達に危害を加えるつもりはない」




「そんな話!」



信じられる訳がない、そう言おうとした時

、俺たちが話してる横で白衣を着た医務室の先生らしき人がいる事に気がつく。

結構な大声をあげているにもかかわらず

気にするそぶりもなく、書類に目を通している



「今の俺たちの会話は聞かれていない、俺の幻影魔法で俺たちは静かに眠っている様に見えているだろう」



「お前、、なんなんや」



「、、、、、まずその質問の前に俺の質問に答えろ、お前のあの能力はなんだ」



こいつズケズケと

イラッとしたがとりあえず質問に応える事にした



「俺もまだよくわかっとらん」



「、、、、まだ能力を使いこなせてないわけか、お前はどっち側の人間だ」



「どっち側?何を訳のわからん事を、次はこっちの質問やろ!お前は一体なんなんや!何が目的や!」



「その反応、、本当に何も知らないようだな、いいだろう俺が何者か教えてやる」



そこからリョウは自分の素性を語り出した




湯の国の徳川四天王の一人、

将軍 柳原リョウ


得意属性魔法は闇ではなく影属性

それにより幻影魔法と言う特殊な

魔法を使える


湯の国には代々受け継がれるある書物があり、その書物によると近い将来世界をも巻き込む厄災が迫っているとの事


今の世界で同盟国を増やす事は安易ではない為密偵と言う形でこの国に学生になりすまし、潜んでいたと言う


各国の戦力と情報を

国に持ち帰り、その時に備えるのが

リョウに課せられた任務だったらしい


またこれは今公にしてしまうと、その状況を利用する輩が現れる可能性も加味して外部に情報を漏らしてはいけない極秘任務の為、他言無用だとの事だった。



「そんな事いきなり言われても、、」



「信じれないか?だがそれが真実だ」



「けど書物ってそんなもんあてにならんやろ!」



「その書物に書き記された予知は必ずあたる」



「なんでそんな事言い切れるんや!」



「それは我々の先祖、すなわち他の世界からの転生者の能力によるものだからだ」



「な、!!」



「実質お前達の仲間の王直属部隊2番隊隊長の美濃裕太の能力でも俺の素性を探りきれなかったのは俺たち湯の国の者は先祖の能力の加護を受けているからだ、この加護は外部からの干渉を妨害する。これで少しは信じる気になったか?」



「そんな話し、、」



そんな話し信じれない、

今の自分たちの状況により

そう言い切れない自分がいた



「せやけどそれは極秘情報とちゃうんか!?そんな話し今日会ったばっかの俺に話してもいいんか!」



「、、、、、、」



「おい!」



リョウは無言で天井を眺め

少し考るそぶりを見せ口を開いた



「俺もどうかしてると思う、、、ただ」



「ただ?」



「情報を漏らさぬ為、何年も人との接触をさけ、極力会話をせずに過ごした。こんなに人と話したのも何年ぶりの事だろうな、もう情報を集め終わりやっと国に帰れるって気持ちと、まだこの世界に来たばかりのお前に対して不思議なことに気を緩めてしまったのかもしれないな」



最後にリョウはボソッと俺は将軍失格だ、とつぶやき喋らなくなった



「そんな重要な任務やったら協力者つくるなり他にもやり方があったんとちゃうんか?」



「まあ今言っても後の祭りだ、俺の魔法は密偵向きだが俺自身はそうではなかったらしい」



「、、、ほなお前はもう国に帰るんか?」



「ああ、すぐにでもそのつもりだったが、、、、」



「だったが、??」



「今この話しをお前にしたのにはもう一つ理由がある、お前つかさと言ったな、俺と一緒に来い」



急なリョウからの提案に俺は少し驚く



「は!?いきなり何を言うてんねん!」



「お前のあの力、仮にも湯の国で将軍を勤める俺と互角の力を持っていた、しかも不安定な状態でだ、お前の力は今後使い方を誤ればお前が守ろうとしている者たちを傷つけかねない力だと自覚しているのか?」



俺はリョウのその問いかけに否定ができなかった





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