第28話 旅立ち
その後俺たちは意識の戻らない
つかさとリョウを医務室に運び
教室に戻ってきていた。
「皆さん申し訳ありません、今回の事は私の責任です。あの妙な気配もただ今調査中ではありますが、まだ原因がわかっていません、外部からの攻撃の可能性も加味して、上層部での話し合いの結果明日は休校となりました。海君とつかさ君は本日からの入学にも関わらずこう言った結果になってしまい申し訳ありませんでした。」
ダイアモンド先生は頭を下げる
今回の事はダイアモンド先生に非はない。
「いえ、そんな謝らないでください。誰もあんなことになるなんて予想できた人なんかいなかったでしょうし、、」
「ああ、先生が悪い訳ではない、あの場でのあの判断は最善だったと言える」
ロックがそう言うと他のクラスメイトも
同意の声をあげる
「ありがとうございます皆さん、ですがこの学園内で皆さんを危険に晒したことにかわりはありません、今回の事態は重く受け止めるつもりです。」
先生はそう言うと、本日はもう全クラス下校となりますので、軍の人間が校門前にて警護にあたってますので、指示に従い帰宅するようにお願いします、リョウ君とつかさ君なら治療を終え次第お送り致しますのでご安心くださいと付け足し、教室から出て行った。
「それにしても先程の出来事はなんだったのでしょうか?」
クラスメイトだけになった教室でアンリウスが口を開く
「ふむ、感じた事のない気配を感じた瞬間にリョウとつかさが壁に打ち付けられ、俺でもあの瞬間は流石に焦ったな」
ロックが応える
流石に先程の出来事があったからか
教室の空気は重い
「まっ!今僕たちが難しく考えても仕方ないさ!二人とも命に別状はなかったんだから、不幸中の幸いと思って今日は帰ろうじゃないか!」
ライトのその言葉で、みんな渋々帰り支度を始める
皆が各々教室から出ていく中俺はサラに声をかける
「あの、、サラ!さっきはありがとう、おかげで大事にならなくてすんだ」
いきなり話しかけられて驚いたのか
少しビクッとしてサラは応える
「い、いえ、わたしにできる事なんてあれぐらいですから、、」
「そんな事ない!サラがあの時的確な判断で治療をしてくれなかったら今頃最悪の事態になっていたかもしれないし、つかさを助けてくれて本当にありがとう」
俺は深々とサラに頭を下げる
「そ、そんな大したこと、、してないですから、、」
サラは照れているのか少しうつむき
モジモジしながら返答する
「ふふっ」
思わず俺は笑ってしまった
「え?なんかわたしおかしな事言っちゃいましたか、、??」
「いや、違うんだよ、最初クラス挨拶の時目があった瞬間に目を逸らされたから俺ちょっと嫌われてるのかなって思ったんだけどちゃんと話してくれるから」
その俺の言葉に対してサラは手を胸の前で
ぶんぶんと振って否定する
「い、いえ!違います!わたし昔から人見知りで、、、特に男の人がちょっと苦手で、、」
本当に人見知りなのだろう、
誤解を解きたかったのか、今までで
一番大きな声を聞いた
「ははは、それなのに急に話しかけてごめんよ、もしよかったら今度お礼させて」
「そんなお礼だなんて、、」
「そんな無理にとは言わないよ、何かあったらその時はいつでも頼って」
「あ、ありがとうございます」
サラはペコっと頭を下げて
そのままテクテクと走って帰っていった
なんだか少し気持ちが軽くなった。
その後俺は荷物をまとめ、つかさの容態を見るために医務室に向かった。
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