第27話 決着





---海side---




リョウとつかさの戦闘が続く中、

最初は押され気味だったつかさだったが

体制を立て直し、今は互角の戦いを

繰り広げている。



「つかさすげーな、あんなに強くなってたんか」



「リョウ君の戦闘スタイルは刃物での戦闘が基本ですからね、つかさ君の能力はあらかじめ聞いていたのでリョウ君とならいい刺激になると思いまして」



「リョウの戦い久しぶりに見たわね、あの子不思議な戦い方するのよね」



俺とダイアモンド先生が話していると、

軽い治療を済ませたリゼッタが話しかけてくる



「確かに武器もどこから出したかわからないし、魔法もみんなみたいに詠唱せずに詠唱なしで使ってますもんね」



「そんな敬語なんていらないわよ!みんなにも!学園にいてる生徒はみな平等、周知の事よ」



「じゃあ、、お言葉に甘えて」



「うんうん!それでリョウの得意魔法は闇属性で闇属性と光属性は6属性の中でも貴重ではあるんだけど、多分リョウは他にも特殊属性を隠し持ってるんじゃないかな?とは思ってるのよねー」



「そんなの学園に入学する時にバレない??」



「うーん、普通は魔力測定器で判明するんだけど、闇属性使いにもあんな戦い方をする子はいないのよ、あんまり喋らない子だし、謎が多いのよね」



「それって問題になったりしないのか??」



「まぁ素行が悪い子でもないし、問題も起こさないから、今は本人の意思を尊重してるっぽいわよ!」



「そう言うもんなのか、、」




リョウとつかさの戦いを見ながら

リゼッタと話していると




ゾワッ




急に体に寒気が走る



「な、なんだ!?」



周りのみんなも異変に気づいたのか

ザワザワしている



ぎゅっ



服の掴まれた感覚を感じ

後ろを見ると、

さっきまで俺の後ろで静かに観戦していた

サラが怯えたように俺の服を掴んで

震えている

気の弱そうなサラの事だ

恐怖で反射的に目の前にいた俺の服を

掴んだのだろう




「この気配はなんでしょうか?凄く不気味な、、、皆さん!!私の近くに集まってください!!はやく!!」



ダイアモンド先生が今まで発した事も無いほどの声量でクラスに声をかける



「光属性最上位魔法ホーリードリシールド!ロック君も防衛魔法お願いします!」



「光属性最上位魔法ホーリードリシールド!」



普段おちゃらけているロックもこの事態を深刻に受け止めたのか、先生の指示に従い防衛魔法を唱える



そこで安心から冷静になったのか

サラは小さく「ご、ごめんなさい!」

というと俺の服から手を離す



「これでもし攻撃を受けても簡単には破られないはずです、皆さんはこの場で少し待機をお願いします!!」



そういうとダイアモンド先生は

シールドの外にでて声が届いていない

リョウとつかさの元に駆け寄って行く



「リョウ君!つかさ君!戦闘は一旦中止です!!すぐさま戦闘を止めこちらに来てください!!」







ドゴーン!!







その瞬間、俺たちが観戦していたサイドの壁とその反対側の壁で大きな爆発が起こる



それと同時に先程まで戦いを繰り広げていたつかさとリョウの姿が霧のように消えていく



「え?なんだよこれ」



俺たちサイドの爆発が起きた場所をみな警戒して直視する、そこには



ボロボロの姿になったリョウの姿があった



「え?どういう事?」



その反対側を見ると

リョウ同様ボロボロのつかさがいた






「つかさーー!!!」



俺は急いでつかさの元に駆け寄る




「海君!!皆さん待ってください!!まだ状況がつかめていません!何者かからの攻撃の可能性があります!!」



ダイアモンド先生は声を上げるが



俺はその注意を無視し

つかさの元に駆け寄る



「おい!おいつかさ!大丈夫か!」



つかさからの返答はない



「おい!大丈夫なのかよ!つかさ!」



俺は必死に声をかけるが生きているのか死んでいるのかがわからない



「海君!少しどいてください!」



ダイアモンド先生は俺とつかさの間に割って入る



「光属性上位魔法ホーリーライフ」



ダイアモンド先生が魔法を唱えるとつかさの体が淡い光に包まれる



「応急処置でしかありませんが、、!」



ダイアモンド先生は今朝の様子とは違い焦りをみせる


その時後方からテクテクと走ってくる足音が聞こえる



「あ、あ、あの、わ、わたしに任せてください」



そこにはサラが立っていた



「サラさん助かります、まずつかさ君を回復させてから急ぎリョウ君を、、、!?」



ダイアモンド先生はそう言いリョウの方を見るともうすでに回復済みのリョウがロックに担がれシールドの方に向かっていた



先程まで震えて俺の服を掴んでいた子がクラスメイトが怪我を負っていると分かった瞬間誰よりも冷静な判断で治療を開始していたのだ



「光属性最上位魔法ホーリーリカバリー」




サラが魔法を唱えるとつかさの傷がみるみるうちに塞がっていく、しばらくするとあっという間に傷は癒える、



「あ、あのまだ息はあるようです、き、傷は消えましたが、ダメージは消える訳ではないのでまず安全な場所に移動しないと、です」



「ありがとうございますサラさん、では急ぎシールドの方まで避難しましょう」



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