第25話 初の授業2



「くぅぅ!悔しい!次は負けないわよ!」



リゼッタは悔しそうにロックを指さす

ロックはいつでも相手になるぞ!

と笑いながら返答する



「お二人ともお疲れ様でした、ありがとうございます。大きな怪我もないようですし少し休んでいてください」


ダイアモンド先生はリゼッタとロックに

そう指示すると俺たちの方に振り向く



「では、海君とつかさ君も今日一度模擬戦をやってみましょうか、相手はそうですね」



ダイアモンド先生はふーむと

クラスを見渡す



「あ、あの!ダイアモンド先生!つかさは能力が使えるんですが、俺はまだ「大丈夫ですよ」


俺が言い終える前にダイアモンド先生が言葉を遮る。


「海君の能力はこの場で使うには不都合があるのですよね」


ダイアモンド先生は俺の目をまるで事情を察しているかのような目で見つめる


「は、はい」



その横でアンリウスは

そうなのですね、、

と残念そうにシュンとする


くそう、、そんな顔をさせてしまうとは



「先生!僕にやらせてください!異世界の能力者との戦闘なんて滅多に経験できることではないじゃない!」


ライトが横から名乗りを上げる

後ろの方から俺も俺も!とロックが

名乗りを上げるが

ダイアモンド先生はロック君は

王軍での戦闘訓練で経験があるでしょうと

ロックの立候補は却下された


「そうですね、ライト君すみませんが今回はリョウ君にお願いしようと思います。焦らなくても次回もありますから」



ライトはそう言われると

まぁがめついのは僕らしくないねと

後ろに下がる


そして後ろの方で静かに様子を見守っていたリョウが前にでてくる



「では次はリョウ君とつかさ君お願いします、お二人とも怪我のないように」



「よっしゃ!いっちょやったるか!」



やる気満々のつかさとは裏腹に

無表情のリョウは言われた通りに

バングルを装着し、戦闘準備を始める。



つかさがどれぐらい強くなったのかは

気になるがリョウの実力も気になる



「それではお二人とも戦闘準備が整ったようなので、始めさせていただきます、それでははじめ」






---つかさsidb---





ダイアモンド先生の言葉と同時に先に動いたのはリョウだった



何もない空間に黒い渦ができたかと思えばリョウはそこに手を突っ込んだ、



「なんや?」



リョウが手を引き抜くとそこには

黒い闇を纏った日本刀のようなものが

握られていた



日本刀を片手にリョウは立ったまま動かない、


「俺も行かせてもらうで![クレイジーピエロ]」



つかさが能力を唱えるとニ体のピエロが現れる。


「ケケケケケ」

「ウウウウウ」


俺は裕太と健太さんとの訓練である程度の能力の制御が可能になっていた。


ただ余った一体のピエロはまだ完璧に操作ができないでいたが、一体を憑依させ、もう一体を消す事には成功している


「今回はお前や!」


俺は泣きピエロに触れ仮面に変えた後、

笑いピエロを消し、仮面を被る


泣きピエロ

笑いピエロと違い扱いは難しいが

体の柔軟性が飛躍し、

異次元からのナイフの無限召喚が

可能になる



体が一気に身軽になるのを感じ

小手調べに召喚したナイフをリョウに連投する



キンキンキン


立ったまま何もしなかったリョウが

軽々とナイフを弾いた後

動き出す。


「な!はや!」


動いたかと思えば

瞬時に目の前まで迫られていた


リョウは俺の首筋めがけ日本刀を振り抜く、


それを俺は体をのけぞらせ交わすと

後ろに数回バク転してリョウと距離をとる


「おいおいまじかよ」


こいつ迷わず首筋狙ってきやがった

ダメージバングルがあるとはいえ

普通そこまで思い切れるか


そこで自分の胸の部分に少し熱を感じる事に気がつく


完璧に避けたと思っていたが

あの日本刀が纏ってる黒い闇、

あれに触れてもダメージくらうのかよ



「小手調べなんかしてる場合ちゃうな、、、サウザンドナイフ!」



どこからともなく現れたナイフがリョウに向かって降り注ぐ



リョウは器用にナイフを弾き、避けながらこちらに向かって駆けてくる


俺はそれに正面から立ち向かう



「涼しい顔しやがって!」



その時リョウが日本刀で空を十字に切る

するとそこには黒い闇が十字型にとどまり

リョウは片方の手をその十字の闇に突き出した、


「な!」


すると十字の闇は勢いよくこちらに向かって飛んでくる


「こなくそ!」


俺はすんでのところでその十字の闇を避ける事に成功したが避けたと同時に十字の闇は弾け大きな衝撃を放つ


「ぐわー!」


衝撃に巻き込まれた俺はそのまま勢いよく壁に打ち付けられる。


何考えてるか分からないやつだったが

めちゃくちゃに強い


魔法を唱える様子もないのに

妙な力を使ってくる



「お前のそれほんまに魔法か?」



俺はリョウに問いかけると

今まで無言を貫いてきたリョウが

初めて口を開く

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