第24話 初の授業
着替えを終えたクラスのみんなが
訓練場に集まってくる。
女子のトレーニングスーツは男子とは違い白をメインとしたデザインとなっている
「皆さん着替え終わりましたね、それではまず海君とつかさ君には学園の戦闘授業の様子を一度見てもらう事にしましょう。」
ダイアモンド先生はそう言うと、
クラス全員を見回し、
「では、今回はリゼッタさんとロック君にお手本を見せて頂きましょう。お二人ともお願いしてもいいですか」
「わかりました先生」
「任せろ!」
リゼッタとロックは返事をすると、
時計の様な形をしたブレスレットを
腕にはめた。
「先生あれは??」
「あれはこの国での授業や決闘、対抗戦などでも使用するダメージ上限感知バングルです」
先生の説明によると、
ダメージ上限バングルには
ダメージ値の設定ができるらしく、
用途によって上限値を変えるらしい、
授業で使用する際はもっとも低い設定となり、設定上限を決めると、上限を超えるダメージをくらった瞬間にその場から10mm程離れた場所に強制テレポーテーションされられるとの事だ。
なるほど、それで追撃を免れるわけか。
これは便利だな
余談として、10mmと言う縛りがあるので、
大きな戦争などでは一時凌ぎにしかならず
量産も難しい為、基本的には訓練用か、模擬戦用に使用する貸出品となるらしい。
俺は一時凌ぎでもちょっと欲しいな
などと考えていると、
ダイアモンド先生に指名された二人の
準備が整ったらしい。
「ではお二人とも準備はいいですね、いつものように戦闘授業での使用許可は上位魔法まで、それ以上はダメージ抑制値を大幅に上回ってしまう可能性がありますので、では海君、つかさ君、よく見ていてくださいね、はじめ!」
今まで自分達は城での戦闘訓練をしてきたが人の戦闘を間近で見るのは初めてだったので、緊張と期待で目が離せなかった。
するとリゼッタが先に動く、
目を離していなかったはずがリゼッタは
元いた場所から急にいなくなる
「え!?どこ行ったんや!?」
つかさも同様に見失ったようだ
「風属性上位魔法ウィンドブレード!」
声が上の方から聞こえて来たと思えば
上の方から風の刃がロック目掛けて降りかかる
「がはは!相変わらずはやいのぉ!地属性上位魔法ウォールダンス!」
ロックが呪文を唱えると
地面から無数の土の柱が出現し
風の刃を防いでいく
「次は俺の攻撃じゃあ!!火属性中位魔法豪火球!!」
これはつかさが暴走した時に裕太が唱えていた呪文と一緒か、
ただあの時と違うのはロックはリゼッタ目掛けて無数の火の玉を放っている
ドドドドドドっと天井や壁、地面至る所に小さな爆発が起こる
「あれって大丈夫なんか??訓練場が壊れたりとか、」
つかさがダイアモンド先生に質問する
「ええ、この訓練場には特殊な防衛魔法が組み込まれてるので、魔力による攻撃をある程度なら防ぐ事ができるのです、戦闘フィールド外の今私たちがいてる場所も目には見えないですが目の前にシールドが貼られているのです。」
へーと感心していると目の前の何もない空間で爆発が起こる
ボンッ!!
「うわっ!びっくりした!」
「今のが見えないシールドです、シールドが貼られてるからといっても危険ですのでもう少し離れていてくださいね」
「は、はい、、」
焦った、俺は再度ロックとリゼッタの試合に注目する、
「がはははは!!!すばしっこいのお!!」
ロックは盛大に笑いながら火の玉を周囲に連発しまくる
「凄いな、Sクラスのみんなあんな戦い方するのかよ」
あまりにも豪快な戦い方にポカーンとしていると
「そんなわけないでしょ!あの青春バカだけよ!あんな戦い方するのわ!」
後方から急にツンデレ声が聞こえてきた、
振り向かずとも誰かわかるのが
面白いところだ、
そこにダイアモンド先生が補足で
説明をつけたしてくれた
「まぁたしかにそうですね、中位魔法とはいえ、あれだけ連発すると普通なら魔力切れはすぐくるはずなのですが、ロック君は見た目と戦い方とは裏腹に魔力出力コントロールがとても上手なのですよ、それこそ
軍隊長達よりそこに関しては上手なんではないでしょうか」
ロックって実は凄い奴なんだな
「くっ、ロックあんたいい加減にしなさいよ!水属性上位魔法ウォーターポール!」
ヒラヒラと優雅に火の玉を避けていた様に見えたリゼッタだったがよく見ると少し苦しそうにノーダメージではなさそうだ、
リゼッタが魔法を唱えると
ロックの足元から大きな水柱が出現し
ロックをのみこむ
「ぐぼぼぼ」
ロックは一瞬少し苦しそうにするが
すぐさまニカっと笑顔になり
ピカッという光と共に爆発がおこり
水柱の中から脱出する
おそらく何かの魔法を使ったのだろう
「ふぅ、危なかった、油断したな、そろそろ終わらせるか!水属性上位魔法ウォーターポール!!」
ロックは先程リゼッタが唱えた呪文と同じ呪文も唱えた、
リゼッタは地面から水柱が出現する前に後方に早いスピードで避ける、
その瞬間
ドガン!!
リゼッタは背後からの爆発で前方に突き飛ばされ水柱の中に放り込まれ、勢いよく地面から立ち上がる水柱に巻き込まれた
それと同時にバングルが強い光を放ち
俺たちのいるベンチにテレポーテーションしてきた。
「いつつ、、なによ今のー!」
リゼッタは悔しそうに背中をさすりながら言う
俺もいったいなにが起こったのか分からなかったが、今回は横で今まで黙って見ていたライトが説明してくれた、
「今のはおそらく火属性中位魔法地雷炎だね、トラップ式の魔法で、さっき馬鹿みたいに豪火球を撃ちまくってた時に同時に仕掛けていたんだろね、僕も過去にロック君との模擬戦でやられた事があるよ、見た目とは裏腹に器用な事をするんだ彼は」
あの馬鹿みたいな魔法連発も計算してたってのか??ならまじで凄いんじゃないのか?
「リゼッタ!大丈夫だったか?がはははは!!」
盛大な笑いとともにロックがこちらに歩いてくる。
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