第23話 新たな仲間2
席に着いてしばらくすると教室の前の扉が開き丸眼鏡のいかにも教員らしき特徴のない人物が入ってきた、
「えー皆さんおはようございます、海君とつかさ君は初めましてですね、わたくしこのSクラスを担当させて頂きます」
スッスッス
先生は黒板のような板に
指で名前を書いていく
すると文字が浮かび上がる
この世界もこんな感じなのか
「ダイアモンド・クリスタルです」
「ぶふぅっ」
すごい名前だなと思っていたら
横でつかさが吹き出していた
「つかさ君どうしたのですか??」
「え、いや、だって」
ダイアモンド先生は表情を
ピクリとも変えずつかさの顔を
じーっと見つめる。
「何もないです、すみません」
あのつかさが素直に謝った
先生のなんとも言えない圧がすごかった
確かにつかさの言いたい事は
凄く共感できる
あのthe普通と言う見た目からは
想像できないキラキラした名前
反応しない方が難しいだろ
そのシーンと言う空気をライトが破る
「やぁつかさ君の言いたい事は凄く理解できるよ、勇者である僕ライトを差し置いてダイアモンド・クリスタルってなんて、、、なんて羨ましい名前なんだ!」
バンっと机を叩き立ち上がり感情に浸るような表情を見せるライト
その横でロックがうぉぉ!青春だぁ!
っと声をあげている
なんだこのクラスは
しかし先生はそれを無視し
眼鏡を指でくいっと押しあげ
「まぁいいでしょう、皆さん最初は同じような反応をしますから」
ダイアモンド先生はライトに
早く座ってくださいねとだけ言い
話を続ける
「まず海君とつかさ君の為にこの学校の簡単なルールについて説明します、皆さんにも再度お伝えしますがよく聞いてくださいね」
ダイアモンド先生の話しはこうだ
①校内での攻撃魔法は禁止
②攻撃魔法を使用する際は訓練場にて
③日常魔法に関しては校内でも許可する
④授業と訓練以外での人に向けての魔法は禁止
⑤他クラスとの決闘を行う際は両クラスの担任の許可が必要、無断での決闘を禁ずる
「とりあえずこの5つが校内規則として破れば厳重に罰せられる内容になってますので、絶対に破らないように、校則とは言え、事と場合によっては懲罰刑になる可能性もありますのでご注意を、他の細かいルールはこちらの学生帳を各自ご確認ください」
学生帳を開いてみるとズラッと大量の規則が書かれていた。
つかさの方を見るとパッと開いてすぐ閉じていた。
文字の多さに読むのを諦めたようだ
まぁ後で目を通して注意する点は伝えてやるか
「では皆さん今日は海君とつかさ君の為に訓練場にて、この学園ではメインとなる戦闘訓練を経験していただきましょう、ご協力くださいね、あとお二人は異世界の魔法とは違った能力があると、そちらも少しお見せ頂ければと思います。」
アンリウスがあの時見れなかったのがこの後見れるんですね!
と目をキラキラさせていたが俺は能力がまだ使えない、ガッカリさせてしまうかもしれないが、後で訓練場についたらしっかり説明しよう。
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闘技場に着いた俺達はまず男女に別れ更衣室に案内され
渡されたウェアに着替えるようにダイアモンド先生に指示された。
「おお!なんかかっこいいなこれ!」
つかさは渡されたトレーニングスーツを着てはしゃいでいる。
「なんか窮屈やわこれ、普通の体操着とかじゃあかんのかな」
デザインこそ黒をメインとしたかっこいいデザインの
トレーニングスーツなのだが体に吸い付くような感覚で窮屈に感じてしまう。
嬉しそうなつかさとは別に微妙な顔おしてる俺にロックが近づいてきて言葉を発した。
「お前らそれちゃんと着とけよ!なれるまでは違和感あるかもしれんがそのスーツには防御魔法が施されているからな!軍でも使用されてるすぐれものだ!まあ俺には必要ないがな!」
それだけ言うと、がっはっは、と笑いながらロックは更衣室を出ていった。
なんかあの人クルードさんと同じ匂いするんだよな
まああれでも年は上でも同級生になるんだもんな
「ほな行くか!」
つかさは張り切って俺の背中を叩いた
「せやな、行きますか」
俺は能力がまだ使えない不安と城での特訓とはまた違う
経験ができることへの期待で更衣室を後にした。
なんだかんだ言って俺もつかさもどんどん今の状況に
慣れてきてるんだな。
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