第19話 異世界生活始動3





「じゃあ入るけどくれぐれも無礼のないように頼むよ2人とも!」




裕太は王がいると言う部屋の前で俺たちに注意を施した。


そして、2人の護衛らしき人達に扉を開けてもらうよう伝える。




「じゃあいくよ、……失礼致します!王直属部隊2番隊隊長美濃裕太!ただいま参りました!」




「おぉ、やっと来たか、待ち侘びたぞ。入りたまえ」




そこには皆が思い描くような王の間があった。


だだっ広い部屋に扉から王へと続く赤い絨毯が引かれており、その横には護衛らが、たくさん整列している。そして、王は玉座に座り俺たちに部屋に入るよう呼びかけた。




しかしアニメなどで見てはいたが実際こんな風になっているんだな、王とこの周りの兵士は一日中こんな風にこの場所にいるんだろうか?などとくだらない事を考えていると、いつの間にか王の目の前の位置まできていた。


王の左横には赤髪のモデルのような体型をした


裕太にも負けず劣らずの顔の整った男が立っていた。


この男は王直属部隊1番隊隊長クライアス・アールモンド、話した事はないが、王直属部隊で1番の実力者らしい。


余談だが、王直属部隊の序列に強さは関係ないらしいが、1番隊隊長は例外らしい。





そしてその右側には姫様と王妃様がいた。


最初この世界に来た時に姫様は見た事があったが


ちゃんと見てなかった、よく見るとかなり可愛い、あの時見た時とは雰囲気が違う、王の前だからか、気品が漂っている。


綺麗な銀髪のショートカット少しタレ目の眠たそうな目、もう一度言うかなり可愛い。


とりあえず横にいる裕太に静かに殺気を送っておく。


王妃もかなり綺麗な人だ、だが王妃は姫様と違って少しきつめの目をしており茶色い髪を肩ぐらいまで伸ばしている。


そして、


王様は銀髪のロングヘアーを後ろにオールバックにして垂らしている、目が少しタレ目で優しそうな目をしている、銀髪の顎髭を綺麗に整えダンディーなおじさんと言った印象だ。


姫様は髪の色といい目の印象といい王様の遺伝子をいい部分だけ受け継いだ感じだ。










「そんなにかしこまらなくてよい、その者たちか?異世界からの転生者と言う者たちは。まずは自己紹介だな、私の名はカイン・グリシュ、この国の国王だ。そしてこの左手の者たちがアンリウス・グリシュとソーラー・グリシュ、私の娘と妻だ。そしてこの右の者が私の直属部隊の1番隊隊長を務めるアールモンド・クライアスだ。」




「中谷海です」




「東城つかさです」




「あの、国王様、こんな何処の誰かもわからない僕たちを無償で泊めたいただいてその上学校まで通わせてもらうなんて…」




「かしこまらなくてよいと言ったであろう、裕太と健太の知人とあらば、何処ぞの馬の骨と言う訳ではあるまい。それに無償ではないから遠慮する事はないぞ、これから君達には学校へ通いながら最初は裕太と健太に付いて我が国の任務をこなしてもらう」




「任務ですか?」




「まぁその話は裕太から詳しく説明させる。心配せずとも最初は危険を伴うような任務はないから安心せよ、で、君達も転生者なら能力を使えるのであろう?この国の国王と言う立場上一応君達の能力も把握しておく必要がある、だいたいは裕太から聞いてはいるが、本人の口から直接聞きたいのでな、実際に見る必要もあるが、まぁそれはまたの機会にでもしよう」






それから俺たちは王様に能力の説明を詳しくした。


俺はまだ能力が上手く使えず暴走してしまう可能性がある為お披露目はもう少し後と言う事になった。






「ふむ、そうか、なら仕方ないな、なるべくはやく戦力になれるよう精進するように。…では本題に入ろう、君達には明日から我が国直属の魔法訓練学校に入学してもらう。君達の当面の生活は私達がしっかりと保証する、しかしタダ程高いものはない。しっかりと働いてはもらう、学業も疎かにするでないぞ!異論はないか?」




「「はい」」




「では裕太、この者達を頼んだぞ」




「はっ!」






裕太は王に向かって片膝を付き深々と頭を下げた。






「では、失礼致します!」






裕太はそう言って俺たちに一緒に来るよう言うと


王の間をでて、一度裕太の部屋に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る