第17話 異世界生活始動
時は現在に戻り
海side
俺たちがこっちの世界に飛ばされた日から
早くも1週間が経とうとしていた。
裕太が王に俺たちの学校への入学許可を
もらった日に1週間後から学校に通えると
言われたそうなので、学校に通うのは明日からだ。
王に挨拶に行かなくてもいいのか?と
裕太に確認したところ、学校に登校する前日
でいいとの事だったので、今日まで待っていた。
俺たちが異世界から来た事は話してくれているらしいので、王もだいたいの状況は把握してくれているだろう。
で、俺とつかさがこの1週間何をしていたかと言うと、まずこの国の事を知る為に街の探索を行ったりしていた、
一つ分かった事はこの世界で言葉は通じるが文字は全くの別物だと言う事だ。
裕太は能力[助言者]のおかげである程度の読み書きは最初から問題なくできたらしい。チート野郎が、、、
転生者について調べてわかった事は、
実はこの世界には
転生者は何人かいるらしく、
これはこの世界でも周知の事で、
裕太と健太さんが王直属部隊長として
この国に貢献している事から、
国民から物珍しい目で見られる事は
あっても、変な目で見られる事はない。
裕太曰く、転生者のほとんどは
能力と存在を隠して過ごしているらしい、
らしいと言うのは、裕太が自分の
能力で他の転生者がいないか探そうとしたところ、わかった情報は転生者は自分達以外にもいるが、何処の誰かまではわからなかったとの事だ。
表舞台に出てきてる転生者の存在も
聞いたので近々訪ねてみたいと
裕太と健太さんに相談したところ、
それはまだ難しいとの事だった、
裕太と健太さんも過去に接触を試みようとしたが、違う国と言う事もあり、
簡単にはいかないらしい、
この世界はまだ国同士の友好関係が
そこまで良くないとの事で、
友好関係を結んでいる国には
転生者の存在はまだ確認できていないらしい、もしかしたらいる可能性も考慮して
裕太と健太さんも時折調べているらしいが
転生者は貴重な存在の為もし
安易に会ってしまい
引き抜きの疑惑などがかかってしまえば
戦争にまで話しが膨らんでしまう
可能性があるとの事らしい。
転生者の情報は多少は得れたが
転移者の情報は何も得れなかった
まあそこは今考えても仕方のない事
なので、後回しにする事にした。
ほかには主につかさが能力を使いこなせるように訓練していた。たまに暴走し、その度裕太と健太さんがつかさをフルボッコにして気絶させる。その様な事を繰り返した結果、つかさは今となってはピエロを体に完全に憑依させる事に成功していた。しかし、余ったピエロはあまり言う事を聞かず誰振り構わず攻撃をしかける。裕太曰くもう少し訓練を続けたらつかさの意思で攻撃対象を絞れるようになるらしい。
それで、俺はと言うと…
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「ぐぅ!」
「海!今の攻撃も受け流せないようだったらそこらへんのチンピラにもやられるぞ!」
王に挨拶に行くのは夜からなので訓練場で健太さんから体術の訓練を受けていた。
あれからと言うもの、俺は一度も能力を使っていない。
もし、またあの鬼が現れて次こそ本気で暴れられたらと思うと、使おうにも使う気にならない。
裕太と健太さんは人のいない場所に行って一度試してみようと言ってくれたが、俺は断った。
だからとりあえず生身の体でできるだけ強くなろうと考えた訳だ。
「もう一度お願いします!」
「次は少し本気で行くぞ!」
健太さんには遠慮はいらないから
本気で来てくれと言っているが、おそらくかなり
手加減してくれているのだろう。
有難いことだが、心苦しい。
自分の無力さを痛感するような痛みが心に襲いかかる。
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「おーおーやってるな、けどまさかお前らが教官の立場になるなんてあの頃は夢にも思わなかったぞ」
「ははは…けどまさかあの時クルードさんにこってり絞られた成果がこんなとこで役立つなんて思ってもいませんでしたよ」
「ふん!一発殴られたぐらいでピーピー泣いてたガキと図体がデカいだけのデクノボウだった奴らがよく言うな!」
「それは2年前の事でしょ!」
「ガッハッハ!!とりあえずあの2人呼んでこい、少し休憩するぞ!」
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「あ、クルードさん!お疲れ様です!」
「お前ら転生者のそのお疲れ様ですってのは本当なんなんだ?こっちは疲れてないっての」
「いや、何て言うか俺たちの世界の挨拶みたいなもので…」
この人はクルード・アートさん。
王直属部隊7番隊隊長、裕太と健太さんを拾って
隊長の座まで鍛え上げたのがこの人だ。
見た目は短髪の黒髮をオールバックにして
身長が2m近くあるゴリマッチョの巨人だ。
いつもイカツイ鎧を身に付けている
とにかくイカツイオッサンだ。
とりあえず王直属部隊の隊長クラスの人間は城に自室が用意されており、俺たちがこの世界に来た事と、この城で暮らす事になった事は知れ渡っている。
しかし、一つ違う事と言えば、俺とつかさはこっちの世界に転移ではなく、転生して来た事になっている。
何がどうなってそう言う話しになったのかはわからないが、説明するのも面倒なのでそう言う事にしている。
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