第15話 スプーンの勇者誕生
--------------------
---------------
----------
時はさかのぼり
[魔の森]
海とつかさが牢屋に転移させられた同時刻、同じようにこの世界に転移させられた者がいた。
[あなたはこの世界に不要と判断されました。よって異世界に転移していただきます。]
「え?え?どゆこと?なに?え?」
男は慌てふためき周囲を見渡す
男は先程まで家で食後のデザートのゼリーを食べていた、
にも関わらずあたりは薄暗い森、
あたりは静寂で時折動物のような
鳴き声が聞こえる。
まだ暗闇に目が慣れていない男はその場から動けずにいた。
停電かとも思ったが、急に冷えた周りの温度、マットの上であぐらをかいていた男は地面の感触が変わったことを感じ手を触れる、地面はかすかな湿りとひんやりと土の温度を感じさせる
「え?ちょっと、誰か?誰かいませんかー!!」
男は少しだけ声をはって様子を見るかのように問いかける
返ってくるのは静寂とかすかな自分の声そして何かの鳴き声
冷静ではいれない男は立ち上がり、
暗闇に慣れてきた目で辺りを見渡す。
その男の右手には先程まで
ゼリーをすくっていたスプーンが
握られていた。
平常心を保つ為強くスプーンを握りしめる。武器にもならぬそのスプーンを
両手で握りしめ目の前に構えた男はジリジリと少しづつ歩みを進める
「スプーン、スプーンスププスプーン」
心細さと恐怖心からか、
男はよくわからない鼻歌を口ずさみながら歩みを更に進める。
ピピピ
(開放条件を達成いたしました)
「どうわぁー!!」
突如声が頭にひびき男は驚きのあまり
その場に腰を抜かす
(橘 竜太郎様 発動条件をみたす言葉を発した為ワタクシが一時的にサポートさせていただきます。)
この男の名は橘 竜太郎
先程までただゼリーを食べいただけの
ただの高校3年生だ
「え?えええ?どう言うこと?誰?誰ですか!?さっきここにくる前に聞いた声!?」
竜太郎は困惑で先程の声に問いかける
(ワタクシはあなたのサポートをさせていただきます、今あなたの脳内に直接語りかけさせていただいております。それとあなたに話しかけるのはこれが初めてです。)
「サポートってなに??てかここはどこですか!?」
(あなたがこれから生き抜いていくため、これからなすべき事の為、一時的ですがワタクシがサポートさせて頂きます。ここはあなたが元々いた世界とは別の世界です、あなたはこちらの世界に転移しました。)
「え、、嘘でしょ転移って、異世界ってもう何がなんだか、、なんでそんな事になったんですか!!?」
(それは今はお応えできません。)
「そ、そんな、、じゃあ今からどうしたらいいんですか!?」
(まずこの森を抜ける必要があります。このまま真っ直ぐ北の方角に進んでください。その前に今あなたは命の危機に面しております。先程のあなたの声を聞きつけた魔物があなたに集まりつつあります。まずその状況を打破してください。)
「えええ、嘘でしょ、魔物ってそんなどうやって切り抜けたらいいんだよー!!」
(大丈夫です、あなたには能力が授けられています。)
「え?能力?それって異世界転生でチート能力を身につけるみたいなやつ??どんな能力なんですか!?」
竜太郎は能力と言う単語を聞くと
少し不安が和らぎ期待を胸に抱く。
(あなたの能力は、、、、、、)
「え?なに?なんなの?」
(かたいものをスプーンですくえる能力です、、、、)
「...............」
(....................)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます