第13話 ???

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[元奴隷商会本拠地]




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「あーぁせっかくいい資金源になってたのに~、ねぇ会長?いや、元会長か…どう言う事?なんで、君だけのうのうと生きてるの~?」




日が暮れ暗闇に包まれた時刻


王直属部隊3番隊隊長、須藤健太により壊滅させられた、奴隷商会の本拠地があった場所に2人の人間がいた。


1人は小柄でパーマがかった茶髪の見た目10代半ば程の少年。


もう1人は30代前半程の元会長と呼ばれた男。




少年は男の首筋に刀を当てる。






「ま!待ってください!まさか王直属部隊の3番隊隊長が紛れ込んでるなど、予想外でして!」




「ふーん、そっか~、まぁそれは仕方ないよね~僕も君の立場ならま、さ、か!3番隊隊長がいるなんて考えもしないよね~」




「は、はい!そ、そうなんですよ、私もまさかの事態で取り乱してしまい、、再建を立てる為に命からがら逃げて参りました…」




「うん!そっか~」






少年は男に笑いかける。


男はほっと胸を撫で下ろした。






シュッ






「!?」






少年は男の首筋に当てていた刀を勢いよく横に振り払った。






「が、がぁ…あぁぁぁ」






男の首から血が吹き出し溢れ出す。






「まぁ逃げて来た理由なんかどうでもいいんだよね~問題は僕らにすぐに報告しなかったって事、3番隊隊長を招きいれた自分の不始末を何とか誤魔化そうと思ったんだろうけどさ~、もっと事態悪化してるじゃん。あ~ぁやり合いたかったな~二つの力を持つ者…」






先ほどの笑顔が嘘かのように少年はゴミを見るかのような目で男を見下す。






「もぉ~服汚れちゃったよ汚いな~、血落とすのめんどくさいんだよ~」




「な、ぅぁ何、を…」




「あれ?まだ喋れるの?すっご~い!」




「も、元は、、と言、、ば、お前ら、、がぁ、、」




「は?誰にお前って言ってんの?てか何?勘違いしてもらっちゃ困るよ?君は僕の仲間でも何でもないんだよ?今までこの僕が手伝ってあげてたのを感謝してほしいぐらいだね、二つ持ちの半端もんのくせして…あ、君は一つだったか!本当に中途半端な奴だな~!そこだけは僕達と一緒だね」






少年は顔についた血を袖で拭う。


その時少年の後ろから1人の片目に眼帯をつけた黒髮のオールバックの高身長の30代半ばの男が少年に歩み寄り声をかける。




「おい、フォース…勝手な事をするな」




「んん?あ~フィフっち遅いよ~、大丈夫大丈夫!まだ死んでないから!」




フォースと呼ばれた少年は刀の先端で男の頰をつつきながら言う。




「その呼び方をやめろ、おい、そのちょっかいもやめろ、本当に死んでは意味がないだろ、俺の能力は死者には通用しない」




「だってフィフスって言いにくいんだもん、フィフシュって言っちゃいそうで!フィフっち無愛想で顔怖いんだから呼び方ぐらいは可愛くしなきゃ!」



「そっちの方が呼びにくいだろ、ガキが」



「あ!ガキって言ったな~!これでも僕20超えてるんだからね!」



フィフっちと呼ばれた男はフォースの言葉にボソッとつぶやき、虚ろな目で口をパクパクさせて倒れている元会長の男の顔に手を近づける。






「うぇっ!ちょっとフィフっち!やるならやるって言ってよ~それ僕から見ても結構えげつないよ!」






フィフスは元会長の男の眼球をえぐりだした。






「見たくないならお前のもくり抜いてやろうか?見たくない物は見なくてすむぞ」






フィフスは眼帯を外し、閉じた目を開く。


そこは真っ暗な空洞になっていた。


フィフスは今先ほど取り出した眼球を自分の


目の部分に入れ込んだ。






「ちょっとちょっと~冗談に聞こえないからやめてよ~…」




「……………」






フォースは苦笑いをしながらフィフスの様子を見る。






「で?フィフっち何が見える?」




「こいつインビジブルの能力者だったのか、俺たちにはまだ能力はわからないって言ってたのにな、それであの襲撃から逃げだせたのか、、なかなか使えるな。それにこいつ魔法も使ってるぞ、まぁ俺たちからは逃げられないと判断して逃げなかったって訳か。…ん?こいつらは…この服装…」




「なんだよ!二つ持ちだったのかよ!嘘つかれるのってムカつくな~!最初僕らと一緒じゃんって親近感沸いた時も2秒ぐらいあったのに~、で、どうしたの?」




「………いや、まだ断言はできないが…、とりあえずファーストに報告に行くぞ」




「??オッケ~、、で、これはどうするの?」






フォースは生きているかすらわからない男を指差す。






「ほっておけ、俺たちに隠れて裏で魔族と奴隷商会の仕事以外での取り引きをしてたような男だ、俺たちが知ってて泳がせてたともしらずに、野良犬にでも食い荒らされたらいい」




「ほんとえげつない考えの人だね~君は、けどいいの?もしかしたらこれで魔族とやり合う事になるかもしれないよ~??」




「当然の報いだ、まずそもそもそいつを瀕死にしたのはお前だろう」




「はははは!」




「何がおかしい」




「い~や!何にもないよ!まぁ魔族とやり合う事になっても予定が前倒しになるだけだからいっか!さぁ戻ろう!ボスの元へ~!」



「勝手な奴だ、またファーストに口うるさく言われても知らないぞ」







そして2人は闇の中へと消えて行く。






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