第90話 おじさん、ダンジョン残業をする。
「それじゃー、今日の配信はここまで。最後まで観てくれてありがとう♪ チャンネル登録よろしくねー!」
俺は絶品キャラメルミルフィーユをゆっくり、しっかりと味わうと、レジャーシートから立ち上がる。
「それじゃあ、俺はこれで……」
今の時間は午後一時半。今から急いで帰れば、ササメと一緒に晩御飯を食べることができる。だが、
「え!? ちょ、ちょっと待ってくださいよ
「そうっスよ! まだ仕事は終わってないっス!!」
田中くんと鈴木くんが、立ち上がった俺を大慌てで引き止める。仕事が終わってないってどういうことだ??
田中くんが説明をはじめる。
「探索庁で、
「局長?
首を傾げる俺に、
「はい。なんだか局長さんから突然連絡があってー。ロカちゃんのADさんに戦闘のアドバイスをしてもらいなさいってー。
君の隠された才能を、きっと
「あ、は、はい。わかりました」
「わあー。ありがとうございます!!」
「俺ができることなんかたかが知れていると思うのですが、できる限りのことはやってみます」
「よろしくおねがいしますー。あ、でもその前に、残りのグランドキャラメルミルフィーユを食べきっちゃいますねー」
そう言うと、
俺は、
《きょうはおそくなるます。さきにごはんたbでください》
メッセージを送ると、すぐにササメからウサギのキャラクターが「OK」をしているスタンプとともに《お仕事がんばってね!》のメッセージが添えられる。
うん。めっちゃ、やる気が出た。
……だが、うーん、どうしたものか。
俺は巨大なキャラメルミルフィーユをたいらげて、ニコニコしながら「ごちそうさまー」と両手を合わせる
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