第50話 おじさん、美少女のあこがれの人との再戦を見守る。
最上階にたどりつくと、ロカは、
ピンポーン。
ほどなく玄関のドアが開いて、オーバーサイズのオレンジ色のパーカーを着込んだ
「ローちゃん、お待ちしていたのだ! どれどれ? 特訓の成果はでてるかにゃ?」
「5日前とあんま変わってにゃい。これじゃあ、再戦してもかわんにゃい。カノエ、ちょっとがっかりなのだ」
「んふふ。アタシが習得したのは、カノエさんも知らない、おじさん直伝のテクニックです! それを使って絶対リベンジしますから」
ロカは、
「にゃはは! たしかにローちゃんのおしりには、5日前と違って自信がみなぎっている! 再戦が楽しみなのだ」
フッ、女の戦いって奴か。絵になる構図だ……上半身にかぎっては。
(下半身は、ロカがおしりをモニュモニュともまれつづけている、なんともカオスな状態が続いている)
「ちょっとちょっと、なに玄関で怪しいことやってるの!?」
本当に、家事はヒサメにまかせっきりなんだな……。
「にゃはは。ついつい闘志がメラメラと湧いちゃったのだ。そんじゃ、早速再戦といきますか!」
そう言うと、
「勝負方法は、前回とおんなじルールでいいかにゃ?」
屋上につづく階段をのぼる
「いいえ! 一回勝負で構いません! アタシがチェイサーで!!」
「にゃはは! ずいぶんと強気なのにゃ!! じゃあ、とりあえずそれで。あとでルールはかえてもいいよん♪」
「はい、ありがとうございます!」
ロカの無謀とも言える提案に、
だが、ロカの提案はただしい。ロカが立てた作戦は、相撲におけるネコダマシみたいなものだ。1度警戒されると2度目はない。
反則スレスレ、限りなくグレーの一発勝負の作戦を前に、緊張したそぶりもなくしたたかな笑みを見せるロカの度胸に、俺は末恐ろしいものを感じていた。
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